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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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37℃(杉原 理生)

37℃ (SHY NOVELS 206) (新書)
杉原 理生 (著)
北畠 あけ乃 (イラスト)



(内容)

「悪いんだけど、俺をしばらく 泊まらせてくれないか」

銀行に勤める野田に突然掛かってきた数年ぶりの電話。
それは、大学時代の野田の秘密を共有する男、若杉からだった。
泊めることを了承してしまえば、面倒なことになる・・・
そうわかっていながら、野田は頷かずにはいられなかった。
とっくに終わったはずの関係だ・・・それなのに・・・?
静かな熱病のような恋が始まる!


銀行に勤めている野田は新居を建てたばかりなのに

妻を抱くことができず、別居中だった

妻は子供がいないことで周囲からの有言無言の批判に耐え切れず

心を病んでいた

野田は両親ともに敬虔な信仰をもっているために、

自身の性癖を罪のように心に重く持っているけれど、どうしても妻を抱くことができない

それでも、普通のように生きて区ことを課していたけれど

ある日若杉から電話がかかってきてしまう

恐れながら、でも今の彼がどういう風に年を食っているか見たいという

気持ちをこじつけて彼に会う理由にしてしまう

会えば過去なんて幻想にしか過ぎないと思い込みたいと思っていたのだと思う




宗教的な教義というのはけっこう自分自身が生きていくことの核となっているのだとおもう

その核が罪と決めており

贖いきれるものではないように教え込まれていることゆえに

自身の性癖についての野田の罪という感情は大きく

若杉との性行為にあたってもまるで、罰を欲するがごとくのものを望んでしまう

そういう野田を可哀想で救ってあげたい変えてやりたいと

若杉もがんばるのだけど、徒労にちかい日々に二人は疲れ別れ

お互い別の人生と生活を築き上げていく

その後の二人は再び出会い

確執というかお互いに生きることを積み重ねていくことをはじめていくのです

いろいろな問題を解決しても、

また新たな問題が浮上していき

これからも安穏とした生活はなかなか送ることはできないだろうと

思われる最後で終わっておりましたが

愛でお互いに手を取り合って乗り越えていくだろうと思われます

乗り越えて欲しいと期待していたいです







「人は憎しみでは変われない

変えることができるにはただ愛のみ」
という言葉を思い出しました

若杉との愛によって、

自身の罪の意識より大事と思えるものを大切にしたいという

気持ちになることができた野田のこれからに祝福を送りたいです




しっとりーとした大人の愛を楽しみたいかたいかがでしょうか?




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無題

こんばんは^^

愛だけが人を変えることができるというのはとても深みのある言葉ですね。読んでる間中若杉が切なくてたまらなかったのでほんと幸せになって欲しいです(>_<)

TBさせていただきますm(_ _)m

若杉はいい男でしたよね~

こんばんはー
若杉が本当に誠実でいい男であったぶん
野田のへんてこりんとも思える思考回路が受け入れがたかったのですが、背景に宗教心と神に対する恐れがあったのだとしたらなんか腑に落ちたのです

二人で、これからもいろいろなこと乗り切って幸せになってもらいたいです

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Lianha
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「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
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