蛇淫の血 (ガッシュ文庫) [文庫]
沙野 風結子 (著) 奈良 千春 (イラスト)
(あらすじ)
その日を境に、大学生の凪斗の平穏な日常は崩れ去った―。凪斗の警護を任されたという男・角能が現れ、岐柳組組長の隠し子である凪斗が跡目候補となり命を狙われていると言い放つ。己に流れる血を忌み怖れ、平凡な生活を必死に守ってきた凪斗。だが、護る者であるはずの角能に監禁され、冷めた眼差しで弄ばれる。「おまえは、俺に与えられた玩具だ」心も身体も翻弄され、淫らな熱に理性は浚われていき―。極道BLの秀作、書き下ろしも収録してついに復活。
このお話はすごく好きでした。
まず奈良さんの挿絵効果があったと思うのですが
汐野さんというかたに初めて魅せられた作品であったと思います。
この作品「
蛇淫の血 」と「蜘蛛の褥」はf‐ラピス文庫から出版されていて
長く続編を期待したまま リンクスから「蛇恋の禊 」「赫蜥蜴の閨」とでていたので
「蛇淫の血」も新装版ででるならリンクスで出ていただければ
本棚に飾ってもバランスがいいなぁと期待していたのですが
まさかのガッシュから・・・
やっぱり本棚はでこぼこのままのようです・・・(笑)
「蛇淫の血」は実は過去に2回も感想を書いた記憶があるのです・・
感想を書いたことを忘れていたとも言いますが
それほど思い入れがあった作品なのだと思うのです。(笑)
今回の書き下ろしでは
「樹の林檎」を描き父親からの電報をうけとったことで
自分自身が変わることを知りスランプになっていた凪人が
「初恋」を描くことでスランプから脱しました。
けれどその初恋の想いを形にして書き表すことがどうしてもできません。
自分のものになってくれた角能
キスをしてセックスをして・・魂ごと自分に捧げてくれた
片思いの渦中の中で描かれた「初恋」よりも
いまのほうがもっと彼を理解しているはずなのに 今の角能の姿を描けない。
そういうジレンマを感じながら学校で大学生という立場と
跡目襲名を正式に行われるまでのしばらくの間という立場で生活しておりました。
岐柳組四代目となることを十分認識し
一般人というか、他人とのセーフティゾーンを開けていたのですが
岩泉ともうすこし語り合っあっていたくて
そんな凪斗をあざ笑うかのように事件がおきるのです。
その事件を境にして凪斗は現実自分の背負うべきものを思い知ります。
そうして自分のゆくべき道、とるべき態度を認識し
楽になるべき方法を知っていても 友情を切り離して生きていく決心をつけるのです。
平凡で人当たりのいいいまどきの若者であった凪斗にとって
これが最初の決別の時となり 成長していくに必要な痛みであるのでしょう・・・
子蛇の脱皮と成長は本人にとってつらいことでもあると思います。
今回のこの本と今月28日にでる「蜘蛛の褥」二冊で
書き下ろしSSを収録した小冊子を全員サービス!ということなのです。
今回は振込とかいらなくて
二冊の帯についている応募用紙と宛名カードと80円切手4枚で 応募できます♪
ええ・・また応募しちゃうとおもいます(笑)
[1回]
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