忍者ブログ

Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

君に降る白 (朝丘 戻。)

君に降る白 (ダリア文庫) (文庫)
朝丘 戻。 (著)
麻生ミツ晃(イラスト)
 
(内容)
 
高校を卒業してから二年。芹田藍は昼は古本屋、夜は身体を売るバイトをしていた。淡々としている藍を玩具のように扱う客が多い中、愛情を教えてくれたのは自分の身体を一切求めてこない客、成瀬恵一だった。平凡なサラリーマンで、温かく純粋な成瀬。だが彼に心惹かれるも、過去の出来事から自分自身を認められない藍は、遠ざかることしかできず―。切なく心揺れるラブストーリー。
 
以前からコバルト文庫でちょっと一味違うBLを書かれる方だな

と思って読ませていただいていたのですが

最近は本の出版が無いなと残念に思っていたのですが

今回はダリア文庫でだされたせいでしょうか
 
コバルトとは雰囲気が違うなという感触です。


コバルト文庫での朝丘さんは・・・

薄い記憶の中では曖昧な不幸に覆われてお話が終わっていることが多く

絶対的な幸福とかハッピーエンドを崇拝しきっているかたには

ちょっとつらい内容だったと記憶しております。


今回のこのお話は自分の常識を非常識と考えてみることで生まれたそうです。

人の価値観はそれこそ人の数だけあって、
 
その価値観を理解しないまでもただ感じようとした時、

初めて人をおもいやれるんじゃないか。

視野が広がって、自分の人間としての幅も広がるんじゃないか。
 
吐き出せる言葉も増えるんじゃないか。

そんなふうに作者さまが思われたおかげでこの作品が生まれたせいでしょうか

どこもかしこも心優しく懸命に生きている人たちばかりだと思いました。


 
幼いころの不幸(自分が幼い時に養子にだされたこと・養子として大事にされたけれどどこか幸福になれなかったこと)ゆえに孤独にさすらっている少年芹田藍
 
自分の性癖ゆえに悩み傷つき、それでも懸命に人を愛あうることを欲しているサラリーマン成瀬

藍が昼間働いている古本屋さんの店主佐藤店長

同じ本屋で働いている気さくで人間味あふれた野宮

みんなが自分たちの常識で息苦しく生きていて

どこかせつない悲しみを感じてしまう。

でも、ちょっと視点を変えて生き方や考え方や

呼吸の仕方すら変えていけることができるようになれたら

昨日までの不幸が

じつは幸福のかけらだったということに気がつけれると感じたお話でした。






拍手[1回]

PR

美男の達人 (小林 典雅 )

美男の達人 (白泉社花丸文庫) (文庫)
小林 典雅 (著)
高峰 顕(イラスト)

(内容)
 
淑女の皆さん、ごきげんよう。美男塾塾頭の箭内です。美男塾―それはイケメン養成所もしくはモテない男救済機関。「すべての男性に素敵な恋を!」と、日々悩める子羊を導いているわけですが、このたび少し面白いことが起こりました。一見モテるはずの爽やかな好青年(郵便局勤務)が説明会を経て入塾したのですが、どうやらうちの講師に一目惚れしたらしく、しかもその相手があの猫かぶり!当塾の有用性が実証される瞬間です、ぜひその目でお確かめください。
 
前回初めて読ませていただいた「嘘と誤解は恋のせい 」が

思いがけない クリティカルヒットな内容だったので
 
休みの今日他の作品はないかと探しに行きました。

BLらしくないBLを運転する息子をしり目に読みふけりましたね(笑)



「美男塾」という名前の男を磨くためのカルチャスクールでの講義が大半で

正確にページ数割出して計算しているわけじゃないんですけど

ぼぼ八割近くは講義なんじゃないでしょうかね?

内容的に言ったらBLにとって肝心かなめのラブが非常に薄いです!!


でも、そんなことがどうでもいいくらいおもしろかったですー(笑)



講義の内容は結婚したい男の方に

女の方の気持ちを伝授し、なおかつ自分らしくみせるための方法を延々と講義してくださります。

ここまでしなきゃ男と女はわかりあえないものなんでしょうか・・・・

でも反面たしかにこういった講義をしてくれるところがあったら

結婚生活がしやすくなるだろうなと思いましたね。

そういう反面、じゃ自分もがんばらなきゃになるんじゃないんでしょうか・・・・

などもう相互理解なんて夢のまた夢とあきらめきった主婦は思うわけです(笑)


あとー

挿絵の高峰さんなんですが、横顔とか、体つきとか洋服の感じがなんとなく

円陣さんに似ているような気がするんですけど~

アシスタントさんかなにかだったのでしょうか?

拍手[0回]

ふしだらな密室  (ななおあきら)

ふしだらな密室 (ビーボーイスラッシュノベルズ) (単行本)
 ななお あきら (著)
門地かおり(イラスト)

(内容)

尊敬する議員の代わりに逃亡者となった接触恐怖症の議員秘書・和士。逃がし屋・御堂の店に潜伏するが、そこは男が男にHなマッサージをする店だった!!風俗業へと転身するべく、御堂から受けるエロマッサージ訓練。涙がでるほど拒否を示していた和士の身体は、御堂のいやらしい手で快楽の渦に堕とされて…。嫌だったはずなのに激しく感じまくり、悶え喘いで乱れてしまい!?エロボディ開発ラブ、H満載のオール書き下ろしで登場。


買うつもりはなかったんですが、

門地さんの挿絵のあまりにものエロさにやられて購入に至りました・・・

感想は・・・

乾燥していません!!

あまりにも濡れ濡れしておりますという一言でもよいような・・(笑)

ななおさん自体は好きな作家さんの部類にはいっていて、

同人誌も何冊か買わせていいただいている方なんですけど

なんというか。。。リブレという媒体がからむと面白くなくなる作家さんだと思います。



筋立て自体は政治スキャンダルというか、汚職絡んでいる議員の身の潔白を信じて

身代わりに行方不明となる決心をする議員秘書さんは実は接触嫌悪症

逃し屋として名高い御堂の店に匿われ、男相手のマッサージ屋さんのお手伝いをしていくうちに

将来生きていく手助けとなるようにとカなんたらかんたら

わけわからない理由で手ごめにされちゃっていくんです。

積め込みすぎというか・・・・

議員秘書さんの接触嫌悪症の理由も、それのよる生活の支障の程度もけっこうあいまい

行方不明になるくらい議員さんを信用しているけど

その汚職の証拠はバッチリつかんでいるようだし

逃がし屋の御堂も魅力的な人間なんだとよくわかるんだけど

議員秘書にちょっとづつ魅かれていく理由がよくわからないというか

全般的に無理やりエロエロしい雰囲気にもっていかなくてはいけないので

本質的なお話の筋がつかみにくいし

人間の魅力が描き切れていないような気がして

なんか物足りない一冊でした。

すごくすごく残念なんです・・・・

このあらすじのほんとうにねちっこくてエロい雰囲気を書ききりながら

この作者さまが書きたかった人間模様を書き込むには、

あともう一冊必要なんじゃなかったのかなという感触です。

拍手[0回]

ruin-緑の日々- 発売延期・・・(六青 みつみ)

もうね・・・・すごく楽しみにしていたんです。
 
六青先生の今月末リンクスロマンスで発売予定だった 「ruin-緑の日々」
 
ruin-傷」のもう救いようがないくらいの悲しさに満ちたあの作品が
 
どういう風に救済されていくんだろうと期待感でわくわくしていたので

コミコミさんとか、密林さんで発売日延期になっていくのを見ましたが
 
HPできちんと出すまではあたしは信じないわ!!
 
とばかりに毎日ストーカーのようにHPでチェックしていたんですけどー

とうとう今日六青さんのHPに発売延期の記事が載ってました。

今月末が年内になっていただけですのでいい子で待っていようと思います。

すでに同人誌では「ruin-緑の日々」の続編「手のひらの向こう側/温かな痛み」がでておりまして

この作品は新書化されることがないということなのです。

時系列ではちょっと先をゆきますが

年内発売されるまではこの同人誌であいかわらずの愛情で支え合いながら

守り合っていく二人を堪能していこうと思っております。

拍手[0回]

欲望と純潔のオマージュ (華藤 えれな)

欲望と純潔のオマージュ (ダリア文庫) (文庫)
 華藤 えれな (著)
三雲アズ(イラスト)


(内容)

芸術大学の職員・八幡蒼史は著名な陶芸家の母の私生児という境遇から、
目立たぬように生きてきた。
だが、チェコからの留学生で若き天才彫刻家のカレル・バロシュと恋に落ち、
新たな生き方を模索しはじめた蒼史はカレルとプラハへ行く決心をする。
だが、ある事件が起きて…。
みずから諦めたはずの恋。
しかし病に蝕まれ、先の見えない体になった蒼史は一路プラハへと―!?
 


一途ゆえの不幸が静かに降り積もっていく・・・・ そんな読後感でいっぱいです。
 
陶芸家として著名な祖父。

そしてその芸術性を引き継ぐとともにエキセントリックさも過剰なほど持て余す母
 
留学生と恋に落ち、妊娠したにもかかわらず捨てられることで

より狂気を孕んだ母より 生まれおち
 
母の心の糧となることで生きてきた青年八幡蒼史
 
母の影によりそうように生きていくことを

知らず知らずのうちに強いられてきたのだけど
 
チェコからの留学生で若き天才彫刻家のカレル・バロシュ出会とい

彼に魅かれていくことで自我に目覚め

彼とともの生きていきたいと望んだのだけれど・・・

心の病に蝕まれた母から逃げようとしたことを母に察知され

失うくらいならと殺される寸前の目にあうのだった。

別れの言葉は・・意識の失う寸前にカレルにあてた短いメールしかできなかった。

やがて祖父を失い、母の最後も看とり

ひとりになった自分にもたらされたものは・・・・すぐに手術が必要な病気だった。

手術が成功する可能性は低く

もはや成功したとしても余命がいつまでかはっきりできるものでなく

命の最後にもう一度カレルに出会いたいと望んだのだけど

カレルからは侮蔑に満ちた表情と裏切ったと思いこんでいる絶望のみしかなかった

それでもよいから少しでも彼のそばにいたくて

カレルの言うがままに過ごす毎日だけど

いままで感じられなかったほどの幸福感得られていたのだけど

病魔は静かに進行し、徐々に蒼史を追い詰めていくのです・・・



きみの手でオレを美しい亡骸にして・・・・・

なんて悲しい望みなんでしょう。

子が生きていく上で、いつかは親をも捨てて独り立ちすることとか

自我を育てることもしなかった母の愛を蔑むことは簡単にできますが

そうすることでしか愛することをできなかったというサンプルしか経験できなかった蒼史

ゆえに蒼史の人の愛し方もどこかいびつで歪んでいたのではないかと思うのです。

愛と狂気のリンクはどこまでも不幸でせつなかったです。



拍手[0回]

カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

プロフィール

HN:
Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
木原音瀬さん・可南さらささん・水原とほるさん
水壬楓子さん・ふゆの仁子さん・華籐えれなさん
剛しいらさんなどなど・・・

コメント・トラックバック等大歓迎です

Twitter

カテゴリー

カウンター

最新コメント

[01/09 suuny]
[01/09 suuny]
[11/23 Lianha]
[11/22 さなえ]
[11/07 Lianha]

最新トラックバック

ブログ内検索

BL×B.L.People