波光より、はるか (角川ルビー文庫) (文庫)
崎谷 はるひ (著)
おおや 和美 (イラスト)
(内容)
大好きな山下と同居を始めて幸せ一杯な一葡。しかし、職場では同性愛者であるとばれて嫌がらせを受けていた。明るく振る舞うものの、無理がたたって倒れてしまい…。一方、かつて山下に片思いしていた朝倉は王子様のようなケネスに対し、自信が持てず、不安で揺れていた。そんな朝倉の真意が掴めずに、焦れたケネスは、紳士の仮面を脱ぎ捨てて…!?大人気『ブルーサウンド』シリーズの恋人たちが織り成す短編集が登場。
・Involtini<インヴォルティーニ>
「しじまの夜に浮かぶ月」のカップルの王子様攻めのケネスが
同じ会社の嘉悦と商談相手を待っている間英語で会話中
丁寧で完璧な日本語を操るケネスであるのだけど
英語で語り始めれば口が悪い。
付き合っている薙はそういうケネスの一面を知らないままだから
若いころ自暴自棄でやけになって遊びまくった自分にコンプレックスもあり
王子様のケネスには自分は相応しくないと思い込んで落ち込み気味。
薙の落ち込みやすさを知っていながら、この王子様自覚を持っていじめているんじゃ・・・・
と疑惑を持ってしまう時がある。
もうじきアメリカに帰ってしまう予定の時が近づいているケネス
そのときに自分はどうなるんだろうか。。。
どうしたらいいんだろうかと悩んでいるのに
日本にいたいと希望しているという言葉の一つもかけてはいない。
それでいて薙がすべてを明け渡してこないなどとのたまっている。
ケネス自体がすべてを薙に語ることもないのに、なんで明け渡せれるんだ・・・・(苦笑
薙のようなドMにぴったりのドSの王子様だなぁ・・・・
と実感したお話です(笑)
・くちびるはやさしく
山下と同棲を始めた一葡
初めての恋を楽しむふたりだが、現実には厳しい一面もある。
親に性癖がばれて自活している一葡には学校にいくにあたって援助はない
けれど山下だけに生活の面倒をみてもらうには男としてのプライドが許せない。
仕事をふやしてがんばっているけれど、
職場には人間性に問題がある男がいていやがらせを受けていた。
金銭面で頼りっぱなしになりたくないという一葡の自尊心が大切なあまり
山下も無理に金銭的な負担を背負うと言いにくいというのは非常によくわかるし
職場での愚痴なんか山下に聞かせたくないという一葡の思いもよくわかる。
恋が成就したからといって簡単に幸福にはなれないし
むしろそうなってからのほうが難しいことはたくさんあるというのはどこのカップルも同じようだ
で最後は濃厚ないちゃいちゃ・・・で終わっております(笑)
・ショコラ・チョコレイト・ショコラーデ-バレンタイン狂想曲-
ブルーサウンドの面々の様々なバレンタイン
濃厚ないちゃいちゃはもうお約束・・・(笑)
このシリーズが本当に好きだったので待ち望んでいた2冊でした。
発売日に本屋に走っていきたい気持ちと戦う楽しさを味あわせていただきました。
でも、その反面
これでほんとうにこのシリーズが終わるんだよと言いきかされたような気がするのは
あたしの杞憂でしょうか?
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