獅子は獲物に手懐けられる (SHY NOVELS 210) (新書)
榎田 尤利 (著)
志水 ゆき (イラスト)
(内容)
内容紹介
他の男を気にしてる場合か?俺だけ見て・・・俺だけ感じていろ」
呼吸器内科の医師である鶉井千昭は、ある夜、自宅で突然見知らぬ男に襲われた。
それが会員制デートクラブ『PET LOVERS』のライオン、蔵王寺真との出会いだった。
足首に見えない鎖を繋がれている千昭と、金で愛を売る不遜なライオン、真。
千昭の義兄の企みの下、不本意な出会いを果たすようになる。
しかし、ある過去が千昭を苦しめ・・・究極のビーストラブ。
★Pet Loversシリーズ第2弾
Pet Loversシリーズなんてのはいつできたのでしょうか・・・
などという突っ込みは大人気ないのでしませんが
前回の調教ものとはまるでお話に関連はありません
あるとすれば、会員制デートクラブ『PET LOVERS』が関連するということです
お話は愛などと考えようもないくらいに義理の兄に苛められ
虐待を繰り返され、身も心も疲弊されている千昭
義兄はそういう千昭をますます暴力と被虐に突き落とそうと
『PET LOVERS』のライオン、蔵王寺真に強姦させようとします
家族を守ろうとけなげに耐える千昭に獅子(蔵王寺真)は惹かれ
のめりこんでいき千昭を守ろうと奔走しますが
肝心の千昭にわが身を守ろうとする意識がまるでないので
なかなかお話はすすみません
が
やがて、義兄はわが身からでた錆によって自分を滅ぼす道に至ります
これでみんながハッピーといえばそうなんですか
同じ母という立場からみたら千昭の母にたいしてとか義父にたいしてとか
なぜか釈然としない気持ちです
千昭の母と父が再婚することにより義兄の心がゆがみ
千昭や母に対してゆがんだ嫉妬や執着心をもつことは理解できます
自分よりよくできる義理の弟という存在もよくなかったんでしょう
最後は母の悪口を言われた千昭がかっとなり喧嘩をしたため
不幸にも下半身を熱傷したためそのことを逆手にとり
より千昭を憎んだことも理解できます
でも、子供たちがそこまで争っていることを・・・
義兄がひとりで憎んで嫉妬し心と体に暴力を繰り返していたことを
同じ家庭にいる人間として保護者として気が付かなかったのでしょうか?
気が付いたとしても心臓も弱く、小さな子供もいることですし
夫を愛していたので離婚とか考えられなかった
自分の平和を守りたかったという
母の気持ちはあたしにはどうも理解できません・・・
獅子はわが子を千尋の谷に突き落として我がこの成長を祈るものです
弱くても自分の子供の成長を助け見守り
義理とはいえ 千昭の兄という存在の子がまっすぐに成長するよう
手助けはできなかったのでしょうか・・・・?
弱き存在でもある人間を人間が責めることは愚かなことですが
今回のお話の感想です・・・・・
あたし個人としては
榎田さんには、「交渉人」シリーズみたいに
お話も会話も事件も楽しめる作品がいいなぁと勝手に希望です
[0回]
PR