空色スピカ (CROSS NOVELS) (単行本)
かわい 有美子 (著)
小椋ムク(イラスト)
(内容)
こんなに愛しいと思うなんて想像もしなかった……
緑豊かな高原に立つ、半寮制の男子校・清泉学院。伝統あるお坊っちゃま学校だが、行事に女の子を招くため、歴代、美形の生徒会長を据えて来た。そんな強者達に並び、新たに任命されたのは華奢で物憂げな美少年・楠ノ瀬。見かけとは裏腹に体育会系な楠ノ瀬を、生徒会の面々は見たまんまの「ギムナジウム風美少年」としてプロデュースすることに。中身とのギャップに苦労しながら、敏腕な副会長・高科に支えられて愛校心と彼女欲しさにがんばる楠ノ瀬だったが、いつしか欲しいのは高科だと気がついて……。
コミコミで六青さんの同人誌を合わせるために買った一冊でした。
はっきりいって、かわいさんの大人の物語が好きでしたので
山の中の学生寮を主体に生徒会活動の子どもたちのお話ということで
なんか・・・・違うんじゃない?と思っておりましたが
これは・・・・本当に良かったです!!!なんかお話の読み応えがあるなぁと思っていたら
クロスノベルズでは初めての二段組みで書かれていたそうです
文章の量が多いから饒舌というのではなく
学校生活と寮生活の一年が丹念なエピソードで綴られておりまして
まるで、自分が経験したかのように思わせて頂いた一冊です。
山の中の緑豊かなカソリック系の男子高校
しかも優秀な生徒も多く進学校であるのですが、
いかんせん女性との接触がすくないため
毎年いろいろな行事ごとに女子高生を呼び出すために
頭を悩ましている校風です。(笑)
生徒会の面々はその重責を担うために
毎年いろいろなタイプの美系(←ここが重要みたいです)
生徒会長を選んでおりました。
今年その白羽の矢に立ったのが、
見かけだけは色白の華奢で物憂げな微少年風の楠ノ瀬ですが
実質は体育会系で大食いの彼女ほしいです(笑)
楠ノ瀬を支えるプレーンとなるべくして選ばれた人材たちは
見たまんまを狙って「ギムナジウム風美少年」としてプロデュースしていくことになりまして・・・
ギムナジウム・・・そうここが大事なんです(笑)
長くなるので・・折りたたみますね
[1回]
あたしと同年代、はたまたそのおねえさまの世代なら言わずと知れたあの名作。
「トーマーの心臓」やら、「風と木の詩」
あの世界の匂いがこの小説の根底にあからさまに見え隠れしていて
楽しいやら懐かしいやら読み返しそうになる自分を抑えるのが大変でした(笑)
深夜に寮の食堂に潜り込んでレオタードでドーナツを作る懐かしい「クララ白書」の世界も織り込まれていて
ああ・・・同世代のあの感動と楽しみを味わったのだね~という
不思議な親しみをかわい先生に感じてしまいます。
秀作でした・・・
小椋さんの挿絵も可愛くて、この話にベストマッチでしたしね。
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