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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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好みじゃない恋人 (洸 )

好みじゃない恋人 (キャラ文庫) (文庫)
洸 (著)
小山田あみ (イラスト)




(内容)
「どちらが先に後輩をオトすか、競争しないか?」。有能な営業マン・香月と、営業成績のトップを争う同期の八木。精悍な容貌で行動派の八木に、香月は密かに片想い中。ところが、偶然会ったゲイクラブで、好みが同じ可愛い系と誤解されてしまう。香月は真実を告白できないまま、手強いライバルを演じることに。そんな二人だけの勝負を楽しむ八木が、ある日突然、SEXの誘いをかけてきて―。




 表紙とあらすじに魅かれて購入に

自分が婚外子であることで家族から大事にされてきてはいたのだけど、

常に目に見えない引け目を感じて生きてきた主人公香月。

上京し会社に就職し有能な営業マンとしてみんなに認められているのですが自分の性癖もあいまって

どこか頑なに生きていました。

そんな香月が密かに思っているのは同じ営業マンの八木

男前で行動的で自分にないものを持っている八木にひそかにあこがれていたのに

偶然会ったゲイクラブで好みが可愛い系のライバルとして認定されてしまう。

自分自身に自信がないままだったし、

なによりこの想いを伝えることがないならライバルとしてだけでいいからと

八木と勝負を続けていたのだがこの恋のさやあてはふたりが好みと思っていた可愛い部下が

他の男にかっさわれたところで終わってしまう。

懲りない八木は何を思ったのか香月にSEXの誘いをかけてくるんですよー

????という展開でしたが、

そういう方向にいってしまったとしても八木を好きな気持ちは捨て去ることができなくて・・・




作者さまがあとがきで三角関係がブームでそれが書きたかったと書かれてありましたが

三角関係を楽しむにはちょっと内容が薄かったですが

ふたりの恋の勘違いと切なさを楽しむにはいい本であったと思います。







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未完成(凪良 ゆう)

未完成 (白泉社花丸文庫BLACK) (文庫)
凪良 ゆう (著)
楠本 弘樹(イラスト)





(内容)

夏休み最後の金曜、高2の瀬名櫂人は、クラブで英語教師の阿南珪が男とキスするのを目撃してしまう。面白半分にゲイとバラすと脅したが、阿南は余裕でかわす。「いい子だから、大人の愉しみを邪魔すんじゃねえよ」意地が悪いけれど色香が溢れる微笑に、瀬名は魂を射抜かれてしまう。以来、瀬名は阿南に付きまとい、どうにかセフレに持ち込むが、教師と生徒、男同士、10歳の年齢差を考えると実る恋ではない。そんな時、瀬名は両親の離婚で転校することに…!?未完成のまま恋に溺れる子どもと、子ども以上に未完成な大人が綴るラブストーリー。




初めて読む作家さんなんですが、いつもこっそろお邪魔させていただいていブログで面白いと書かれていたのと、設定が好みなので買ってみました。

 家族の不和で家庭に安息を感じられなくなって、成長期のいら立ちのようなものとともに
すべてにいらだっていたような少年瀬名。

 偶然遊びに行ったクラブで出会ったそのひとは自分が通う高校の教師であった。

阿南に絡んではみるものの大人の余裕でかわされたことが腹立たしくも魅かれていく要因となるのですが・・・

絡んでいく名瀬に対して本気で自分の良い面も悪い面も見せていく阿南

ひどい言葉で内省を促されたりするわけですが

おためごかししかないというか高校教師として外面だけで対応されていたときよりずっと人間味を感じてなついていきます。

家族の不和により荒れる名瀬に対して救いを手助けする阿南

居場所を作って話を聞き、ただ時間を共にするだけなんですけど、それにたいして癒しを感じていく。

懐いてきた大きな子犬の感情が恋から愛に代わっていって、阿南の肉体まで求めてきますが

高校教師として、大人として阿南は受け入れてはいけないと思いながらも

名瀬の情熱に引きずられていくのです。

子供特有の、愛する人しか見えない情熱は痛々しくもせつない

その子供の時を切り抜けて、

その気持は理解できていても、大人として生きてきた時間や常識とかなにもかもがその情熱だけを支持することができない哀しみ・・・

やがて親たちの離婚を契機にしふたりは別々の人生を生きることを決意するのです。

帯に「恋する子供は成長し
    恋する大人は子供に孵る」とありますが

恋をしたら大人も子供もある意味同じラインに立ってしまう

大人だから恋のせつなさに慣れるなんていうことは絶対に無いと思うのです。



 離れることでこの恋の感情を維持できるかどうか、

お互いを思いやれることができるかどうか

それすらも日々の果てになるんじゃないかとかいろいろな思いで

二人は別れて生きることを選択しますが、

離れることでお互いがきちんと自分の気持ちに整理をつけて、再会し共に生きていくことを選びます。


高校生の大型ワンコしつけ調教、いい犬に育てていく成長期を楽しみたい方いかがでしょうかw?




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ちょっと脱力感・・(水城せとな)

この休日は水城せとなさんの「窮鼠はチーズの夢をみる」と「俎上の鯉は二度跳ねる 」の世界に

浸りきっておりました・・・・

幸福な脱力感とでも言いましょうか・・

ここまで思える作品に出会えたことがうれしいことであり、

また他の作品をいつものように楽しんで読めないかなしさとでもいいましょうか

何読んでも、あの二つの作品のような高揚感を感じられませし、比べてしまいます(笑)

また時間をおいてちゃんと咀嚼して、吸収してから新たな気持ちで感想を書いていきたいと思います。




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俎上の鯉は二度跳ねる (水城せとな)

俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスアルファ) (コミック)
水城 せとな (著)




女を抱いた次の日、俺は男との愛に耽溺する——衝撃のラブストーリー、完結編!!
妻と離婚した恭一(きょういち)。だが今ヶ瀬(いまがせ)との男同士の微妙な関係は、今も続いていた。今ヶ瀬に抱かれることに慣らされてゆく日々。ところが、恭一に思いを寄せる会社の部下・たまきの存在が2人の関係を大きく揺るがし始め・・・!?
ケータイ少女誌「モバフラ」で配信された水城せとな大人気シリーズ完結編!! 
●収録作品/憂鬱バタフライ/黒猫、あくびをする《—新作描きおろし—》/梟/俎上の鯉は二度跳ねる 






とうとう・・・とうとう最後までたどり着きました・・・

「憂鬱バタフライ」はジュディ本誌の付録につくという噂を聞いて

普段はいかない女性誌のコーナーでさまよった記憶があります。

「窮鼠」での最後、ふたりはお互いの想いに気がついて、とうとう体を結びつけました。

肉体関係を持ってこれで幸福という夢に浸っているかのようで、それがなにか暗い・・・

そのラストが印象的でした。

「憂鬱」ではなぜ恭一が女の人とか、人生に流されて生きるようになったかの

過去のエピソードが描かれていました。

誰にも優しくありたい、それが楽に幸せになれるような気がすると思いながらも

体は今ヶ瀬から与えてもらえれるものに悦びを感じていて

気を張らなくていい男同士の生活に心までも歓びを感じている。

そんな自分にどうしても違和感がぬぐえない。

「窮鼠」ではかっこよく軽妙になにもかも悟ったかのように生きている今ヶ瀬ですけど

恭一との生活に幸福を感じるとともに、不安になっていく。

いつか失ってしまうこの幸福をできるだけ長く続けたいという思いにとらわれるとともに

いつか失ってしまうなら早いうちに傷が浅いうちに、自分が自分を保つことができるうちに別れたいと思ってしまう。

恋に溺れて彷徨ってしまうこの幸福と不幸を味あわせてくれる作者さまの力量を感じるとともに

昔の痛みをさまざまと呼び起こしてくれて

泣きたいような、泣けないようなそんな感覚にとらわれてしまいそうでした。




憂鬱バタフライ/黒猫、あくびをする《—新作描きおろし—》/梟/俎上の鯉は二度跳ねる

の長い作品を通してこの二人はやたら言い合いをし、繰り返し痴話喧嘩を繰り返しています。

二度恭一ではだめといったのだから三度目は許さないと今ヶ瀬に恭一は最後通告をするのですけど

あたしからしたら二度でも三度でも四度でもこの二人はこういうぐるぐるした会話を繰り返しながら

お互いを認め合い、高めあい、けなしあい、殴り合いながらも続いていくのではないのかなという予想がします。

だって、殴ってでも今ヶ瀬に自分の気持ちを伝えようとしてしまう

今までの流され侍であった恭一ならこんな面倒なことはしなかっただろうし

諦めよう・忘れようとしながらでも恭一にしがみついてしまう今ヶ瀬も

ここまでしたら捨てられるとわかっていながらせずにはいられない気持ちを持っている。

そして、とことん人間として駄目な部分というか、本音というか、弱いところをさらけ出し合ってなお魅かれている。

ここまで情が育ってしまったのなら

たとえ何があっても簡単に捨てきれないと思うのです。



この恋が平和に終わりそううにない恭一のモノローグで話は終焉を迎えます。

流されて、流れ着いた先に恭一がたどり着いた位置です。


この恋を自覚しながらも、いつかは今ヶ瀬は自分の元から離れてしまうかもしれないと思っている。

けれどそれでいいと思う。

二人という人間はまるで違う人間なのだから失われたかけらのようにきちんと当てはまることは永遠にない。

でも今ヶ瀬が離れていこうとしても、今度は恭一からも橋をかけようとしていくとい決意があって

激流に流されたらまたかけ直したらいいと思っている。

同じ恋のまま時間は止まらない。

時間の流れとともに恋もまた流されていき

人の心も変わっていき

いつか想い出すらも変わっていくかもしれない。

そうしていきながら、恋が愛に代わって情になっていく。

愛情をきちんと積み重ねていく決心をしたからこそ、

指輪を買う話になって

お守り代わりにしていくこれからの二人に幸あれと祈りたいです・・・・


表紙のふたりはきちんとお互いを見つめ合って、そしてやっぱり恭一のネクタイを直しながら

健気にがんばるであろうという感じの今ヶ瀬の瞳がこれからのふたりを示唆しているかのようですしね(笑)







 

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窮鼠はチーズの夢を見る(新装版)(水城せとな)

窮鼠はチーズの夢を見る (フラワーコミックスアルファ) (コミック)
水城 せとな (著)





(内容)

男と男 衝撃的な愛の姿を描き、大センセーションを巻き起こしたラブストーリー
FCα新装版で登場!!

大学の後輩・今ヶ瀬(いまがせ)との再会…。それは恭一(きょういち)の妻が彼に浮気調査を依頼したのがきっかけだった。浮気の事実を隠す代わりに、今ヶ瀬に男同士の関係を迫られ…!? 水城せとなの大人気作が、新作描きおろしを加え、新装版で登場!! 限りなく切ないアダルト・ラブストーリー。
●収録作品/キッシング・グーラミー/楽園の蛇/黒猫、月を見る/黒猫の冷えた指先/鼠、袋小路で考える《―新作描きおろし―》/窮鼠はチーズの夢を見る




この「窮鼠はチーズの夢をみる」を初めて読んだのが2006年

いまからもう3年にもなるんですねぇ

この作者さまの前身がBL作家さんということは知っていたのですが

作品を読んだのはこれが初めてになります

一目で恋い焦がれたというか、ひかれた作品でしたので

ジュディ本誌で付録として続編が出たと知った時は

あわてて普段は立ち行かない女性誌コーナーにむかったことを覚えています。


続編が出るということも作者さまのHPで知っていたのですが

お財布事情が新しい携帯に買い替えることは許されなかったし

なによりも自分が紙で読みたいという非常にアナログな人間ですので

今回この作品の真相とともに続編「俎上の鯉は二度跳ねる」を読むことができてたいへんうれしいです。

また表紙がたいへんいいです。

収められている作品のすべてのモチーフが背後にさりげなく飾られております。

前を向いている恭一と恭一にしか視線を向けていない今ヶ瀬との対比が

ほんとうにこの作品の内容を鮮やかに表しているといっても

過言ではないはずです。




 作品は妻に今までの浮気をばれないように大学の後輩であり

今は探偵事務所に勤めている今ヶ瀬に唇を許すことから始まっていく。

流されざむらいの恭一は妻との時間になにも考えてはいなかったけれど

過ごす時間になにも語らうこともなく、むしろ違和感を感じてしまう。

けれど普通の男である恭一は今ヶ瀬の想いを恋を受け入れられないものだという思いにとらわれている。

けれど妻と別れてひとりの時間に飽き始めた恭一は

今ヶ瀬の想いを違和感なく受け入れている自分にどうしようもない焦燥感を感じている。

一度は別れを決意された今ヶ瀬を恭一は追いかけていく。

追いかけながら、体を今ヶ瀬に許しながら

それでもこれでいいのかというほの暗いような想いを消すことはできない恭一だったのだけれど・・・




あの時のあたしではなく

今のあたしが読んでもまた感慨深い作品でした・・・

たぶん、

これからのあたしが読んでもまた深く感じるものがあると思える作品です。


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Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


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