窮鼠はチーズの夢を見る (フラワーコミックスアルファ) (コミック)
水城 せとな (著)
(内容)
男と男 衝撃的な愛の姿を描き、大センセーションを巻き起こしたラブストーリー
FCα新装版で登場!!
大学の後輩・今ヶ瀬(いまがせ)との再会…。それは恭一(きょういち)の妻が彼に浮気調査を依頼したのがきっかけだった。浮気の事実を隠す代わりに、今ヶ瀬に男同士の関係を迫られ…!? 水城せとなの大人気作が、新作描きおろしを加え、新装版で登場!! 限りなく切ないアダルト・ラブストーリー。
●収録作品/キッシング・グーラミー/楽園の蛇/黒猫、月を見る/黒猫の冷えた指先/鼠、袋小路で考える《―新作描きおろし―》/窮鼠はチーズの夢を見る
この「窮鼠はチーズの夢をみる」を初めて読んだのが2006年
いまからもう3年にもなるんですねぇ
この作者さまの前身がBL作家さんということは知っていたのですが
作品を読んだのはこれが初めてになります
一目で恋い焦がれたというか、ひかれた作品でしたので
ジュディ本誌で付録として続編が出たと知った時は
あわてて普段は立ち行かない女性誌コーナーにむかったことを覚えています。
続編が出るということも作者さまのHPで知っていたのですが
お財布事情が新しい携帯に買い替えることは許されなかったし
なによりも自分が紙で読みたいという非常にアナログな人間ですので
今回この作品の真相とともに続編「俎上の鯉は二度跳ねる」を読むことができてたいへんうれしいです。
また表紙がたいへんいいです。
収められている作品のすべてのモチーフが背後にさりげなく飾られております。
前を向いている恭一と恭一にしか視線を向けていない今ヶ瀬との対比が
ほんとうにこの作品の内容を鮮やかに表しているといっても
過言ではないはずです。
作品は妻に今までの浮気をばれないように大学の後輩であり
今は探偵事務所に勤めている今ヶ瀬に唇を許すことから始まっていく。
流されざむらいの恭一は妻との時間になにも考えてはいなかったけれど
過ごす時間になにも語らうこともなく、むしろ違和感を感じてしまう。
けれど普通の男である恭一は今ヶ瀬の想いを恋を受け入れられないものだという思いにとらわれている。
けれど妻と別れてひとりの時間に飽き始めた恭一は
今ヶ瀬の想いを違和感なく受け入れている自分にどうしようもない焦燥感を感じている。
一度は別れを決意された今ヶ瀬を恭一は追いかけていく。
追いかけながら、体を今ヶ瀬に許しながら
それでもこれでいいのかというほの暗いような想いを消すことはできない恭一だったのだけれど・・・
あの時のあたしではなく
今のあたしが読んでもまた感慨深い作品でした・・・
たぶん、
これからのあたしが読んでもまた深く感じるものがあると思える作品です。
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