梨園の貴公子―外連(けれん) (ビーボーイノベルズ) [単行本]
ふゆの 仁子 (著), 円陣 闇丸 (イラスト)
梨園の貴公子―外連(けれん) (ビーボーイノベルズ)
(あらすじ)
新進気鋭のカメラマン・尾上浅葱の年下の恋人は、歌舞伎界の御曹司・常磐彦三郎。家柄・容姿・才能・人気共にトップクラスの常磐は、怖いぐらいの情熱で自分を愛してくれる。その常磐に有名女優との熱愛報道が!その上、歌舞伎界の重鎮である常磐の父が緊急入院。『梨園の御曹司』を恋人に持つことの意味を改めて考えた浅葱は、常磐の痛いほどの抱擁を振り払うが…!?書き下ろし表題作に、人気女形と興行主の秘密を描いた短編を収録。
「梨園の貴公子」
「梨園の貴公子~色悪~」
と続いておりますこの作品 初めての恋にときめいて、
お家騒動に揉まれながらも二人の愛は 育まれている模様
いかんせん鳥あたまなので前作の内容がすごく薄いのですが
薄いままでも歌舞伎のことは全くよくわからなくても十分楽しめました(笑)
三作目となれば愛しあうふたりに障害は・・とくればもう間違いなくお家騒動なんですよね。
歌舞伎界の御曹司とはいえ、順調にその家が背負う者を望んでいるものばかりではなく
いろいろと悩み苦しみながらもがいておりました常盤が
ほんとうに自分が望んでいるものは何かということにたどり着いた先には
恋人で年上のカメラマンである尾上浅葱と共に生活をすごし共に人生を歩いていくことでした。
そのうえで役者として生きること、舞台に立つことの楽しみや喜びも得て
充実した日々を過ごしているのですが
ある日常盤の父が病に倒れ
その父から「梨園の貴公子」を伴侶として生きていくためにはと問いかけられるのです。
梨園という特殊な世界の中で貴公子として役者として生きるためには
自分という年上の男の恋人でははなから受け入れられないということはわかってはいたものの
このつないだ手を話すことはできなくて、
なんとかしてとがんばっていた浅葱にはきつい現実が突きつけられたのです。
距離を置きたいと告げる浅葱
たとえもう二度と会うことはなくても距離を置くことは別れではないと
思い切るのが年上の恋人の分別であるし
別れたくないと駄々をこね、それでいて年上の恋人の心情を理解している年下の男との
情事は定番とはいえ悲しいですよね・・・・
父が抜けたあとの舞台をやり通すことで役者として成長して一回り大きくなっていく恋人
もう自分は関わることはないと挨拶することもなくひっそりと消えようとするのです・・が
そういった浅葱の心情を誰よりも理解していた常盤は父の病室に訪れ
役者として生きていくためには浅葱という存在が必要だと堂々と言うのです。
お話的には定番というか、三冊目ということで全体に印象が薄い感じです。
今回あたしの気持ち的には同時収録の「
奈落」に全部もっていかれた印象が強いです。
以前、雑誌小説b-boyに掲載されていた短いお話がちょっとふくらませてのっております。
12月発売の小説b-boy2012年1月号には「外連」とリンクするお話「間夫」がこの
「奈落」の続編となると思います。
妖しい魅力いっぱいの紫川の父親のこととか、紫川の情人である竹林との馴れ初めなどが
詳しく書かれております~
あたしてきにはこの二人で一冊の本でもいいのですけど
ふゆのさんが以前同人誌のペーパーで書かれていた「engage」の再販とコラボ作品が
でるように書かれていたのでそれも楽しみなんですが
いったいいつなんでしょうか・・・?
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