落花流水 (SHYノベルス) (新書)
凪良 ゆう (著)
石原 理 (イラスト)
(あらすじ)
自堕落な生活を送る井上一也は、ある日想いを寄せていた成田夏生に再会する。
夏生は五年前、軽蔑と嫌悪の眼差しをむけ、一也の前から突然姿を消した男だった。
夏生は借金を作った婚約者の妹が風俗店で働かされそうになるのを身を挺して助けにきたのだ。
そんな夏生に、どうすることも出来ない苛立ちを感じた一也は、
借金のカタをつける代わりに、夏生に「身体」を要求する。
期限付きの関係でいい。心まで望まない。夏生が欲しい___と。
花丸文庫での「全ての恋は病から」が思いがけなく壺だったというか
好みのエロさと会話のテンポの良さに魅かれてしまっつたので
これも購入してみました。
花丸とは雰囲気はまったく違っていましたが
文章力でぐいぐい読ませてくれる力はやっぱり凪良さんのもので
生きることの下手な人へのエールがよかったです。
落花流水の意味を調べてみました。
男女の気持ちが互いに通じ合い、相思相愛の状態にあること。
散る花は流水に乗って流れ去りたいと思い、
流れ去る水は落花を乗せて流れたいと思う心情を、それぞれ男と女に移し変えて生まれた語。
転じて、水の流れに身をまかせたい落花を男に、
落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ。生きることが下手な二人が恋をして、
お互いに想いやっていてはいたんですけど、
お互いが思う気持ちだけでは振り切れなかったいろいろなしがらみがあって
そう簡単に捨てきれない現実のいろいろなことに振り回された二人が
最後には大切なことは自分らしく生きること
大切な人と生活できる幸福を楽しむこと
それ以外は大切ではあるけれど、必要ではないと思い切って
なにもかも捨てて新しい人生・新しい生活を選ぶことしました。
現実生きているあたしにはいろいろなしがらみや
生きることに不必要ななにかにがんじがらめな存在なのです。
恋のためになにもかも捨てることができることができるには年齢が行き過ぎているし
こころのどこかでそういった煩わしいしがらみに自分の必要性を感じているので
そう簡単になぎ捨てるわけにはいかないと思いますが
そうやって捨ててもいいと
思いきれるほどの恋をしている二人がとってもとってもうらやましいです。
個人的には今回この主役のふたりというか
一也を殺したいほど憎んでいる恋人の面影があるからと
影に日向に助けていくというか・・
(苦境に落としていくときもありましたが(笑))
九条と言う存在がすごくすごく気になりました。
八年も前に出奔した恋人というか情人の存在を探して探して
殺したいと思い詰めるほど追いつめた恋人との出会いとか、
過ごした時間を読んでみたいような気がします。
最後の最後にもしかしたら再会できるかのようなエピソードがありましたので
再会したときの2人も堪能してみたいなーと思うのですが
皆様はいかがでしょうか(笑)?
[4回]
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