リナリアのナミダ―マワレ― (幻冬舎ルチル文庫) [文庫]
崎谷 はるひ (著), ねこ田 米蔵 (イラスト)
リナリアのナミダ―マワレ― (幻冬舎ルチル文庫)
(あらすじ)
佐光正廣は、不運が重なり三年連続で受験に失敗し、二十一歳にして専門学校に入学した、いわゆる仮面浪人。荒んだ気分で煙草を吸う佐光に、「ここは禁煙」と学校の売店店員・高間一栄が注意してきた。以来、声をかけてくる高間を不愉快に思いながらもなぜか気になる佐光。ある夜、高間に助けられた佐光は次第に心を開き始め…。
「
アオゾラのキモチ―ススメ」
「オレンジのココロ―トマレ」
「ヒマワリのコトバ-チュウイ」
「プリズムのヒトミ―ヤスメ―」
「ミントのクチビル―ハシレ―」
信号機シリーズもはや六作目、
「アオゾラ」から始まったインターネット上のトラブルが原因で
いろいろな事件が起きており
このシリーズの人たちのみんなが多かれ少なかれトラブルを被っています。
この作品はもともと東北の震災が始まる前に書かれていたのですけど
震災後にはこういう話よりは明るく楽しくということでこのお話よりはあとになる
「ミント」のほうが先にでたという。
たしかにあの未曾有の大災害の後にこの「リナリア」ではちょっときつかったかもです。
今だから楽しめるリナリアの可憐な?お話はとても好みでした。
不運が重なり三年連続で受験に失敗した佐光×学校の売店店員・高間
仮面浪人として専門学校に通っていてもどこかおもしろくない佐光
あるとき佐光の喫煙場所以外での喫煙を注意してきた男が高間だったのですが
この高間という男の存在がすごくよかったです。
あるときは清潔感あふれる画材を販売する店員であったり
あるときはクラブでチーフマネージャどころか経営者であるヤクザにも顔の聞く男であったり
過去にやんちゃをした男の妻?パートナーであったためにあらゆる伝をもっていたり
簡単になげやりに足を開いて下腹部から足に向かってあるタトゥーを見せたり
一生懸命どこか投げやりに生活している佐光を更生させたり
やたら何面も顔をもっているのですが
その内実は初恋の男に愛されたことに確証が持てないまま生きて
その男が壊されていくところを寄り添ったまま助けることができなかったことを悔いて
ただその男のかわりに生きているだけの生活をおくっているのです。
その内面の哀しさを自分自身ですら気がついていない不幸な人間なんですよね。
佐光という若者も不運と不幸を舐めているのですが
高間の不運と不幸を知り、理解するにつれだんだんと人間的に成長していき
高間を支えて守っていくことができる人間に成長していきます。
ふたりの恋物語と成長物語がとても楽しめました。
おまけに大好きな「ヒマワリ」の昭夫が要所要所でてきて、ちゃんと絡んでくれているのも
楽しみがましましたね。
ほかのメンバーも名前だけだったり、登場してたり
オールスターズが好きな人はきっと胸がワクワクしていくんじゃないかと思います。
リナリアと蝶の絡み合い睦み合いがエロくてよかったです(笑)
この画像の意味を知りたい方は是非読んでみてください♪
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