ビター・スイート・レシピ (新書館ディアプラス文庫 192) (文庫)
月村 奎 (著)
佐倉ハイジ(イラスト)
(内容)
一年近くひきこもりを続ける健太。亡き祖母の住居兼店舗で、現実逃避にレース編みをしてひとり、暮らしている。そこへある日、宇佐見という男が訪ねてきた。長くシャッターを降ろしたきりのこの店で、焼菓子専門店を開きたいというのだ。店を貸すことになった健太は、夢と希望に満ちた宇佐見のペースに巻き込まれるうち、彼に惹かれている自分に気付き……? ほんのり苦くてほんのり甘い、ラブ・アソートメント!!
一番好きなものは最後でという癖がありましてー
さすがに食べるものとかは限界を知ったので、
好きなものでも先に食べるようになりましたが
本屋で大量購入のあとは・・・・
やっぱり漫画から
それから小説
そして最後に一番楽しみにしていた本という癖は変わらずあるようです(笑)
月村さんの小説は同じような言い回しとか、同じような設定とか多々ありますが
安心して最後まで楽しめる作家さんという言う意味で好きな作家さんです
家族の意見というか、こうあらねばという意見に自分を押し殺して
がんばって無理して生きていましたが
大学の受験失敗と大切にしてくれた祖母の死の打撃に耐えられず
引きこもりとなって世間からも家族からも離れて生きておりました
時折訪れる兄の存在と発言で家族が望むように生きていけない自分にまた
失望して生きている青年健太
彼の得意はレース編みで豪奢な作品を作り上げることで時間をつぶしております
生きることで挫折を知ることは大切なこと
それを次にどう生かすか、それが大事なんだと思うのですが
挫折によってこうも簡単に人間は傷ついてしまう存在だということを
理解しあうということが大事なんじゃないかと思ったわけです
おいしい匂いとレシピと優しくて強い宇佐美と出会うことによって
一歩踏み出したり
また縮こまったりしながらも
生きる楽しみを見出していく姿はとても素敵でした
愛している。生きている。
ひきこもりの健太の毎日に魔法をかけたのは、
宇佐美の、大きくてあたたかな手―― [1回]
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