蛇とワルツ (SHY NOVELS 236) (新書)
榎田 尤利 (著)
志水 ゆき (イラスト)
(内容)
●Pet Loversシリーズ完結
「俺はあんたを甘やかす、優しいペットだ。まるで恋人のような」
『Pet Lovers』のオーナーである仁摩遙英は、仕事が恋人というワーカホリックだ。
そんな仁摩は、問題児のペットを躾け直すため自宅のマンションで預かることに!
カテゴリー爬虫類の蛇、竜巳杏二だ。
命令しても動かず
読んでも振り向かない扱いづらい蛇に、仁摩はうんざりする。だが、
不遜なばかりではない杏二を知るうちに、
まるで恋人のように惹かれ始めていくのだがある裏切りを知り・・・
Pet Lovers至上の恋、登場!!
第1弾:犬ほど素敵な商売はない
第2弾:獅子は獲物に手懐けられる
第3弾:秘書とシュレディンガーの猫
いよいよPet Loversシリーズも最終を迎えたわけで・・・
最終巻はさすがの読み応えでした。
Pet Loversというものがなんでできたのか
Pet Loversが求める癒しというものがなぜ必要なのかということがよくわかるお話になっておりました。
オーナーの仁摩遙英は幼い子供のころ母の心の病により愛されることのないまま育ちました。
叔母の家で何不自由のない育ちをしたからといって
幼い子供の喪失感は決して埋められるものでもなく・・・・・
やがて子供は大人になるけれど
孤独感は癒されることなく、
いえ・・表面に簡単に出せなくなった分だけよけいに隠された孤独は深くなっておりました。
そんなときに出会ったのは「蛇」の問題児のペット杏二
最初はお互いが歩み寄りこともなくただただ暮らしてるだけというか
問題を解決する気もないまま野放図に生活をしておりましたが
ともに暮らすうちに杏二の本質を知り癒されている自分に気がつく
ただそれは裏切りという名前の甘い罠でもあったのだけど・・・
もしかしたら杏二が自分を裏切っているのではないかといろいろ行動を起こして
危機に陥ったとき
やっぱりお話のセオリー道理助けに来てくれたのは杏二で・・
実は仁摩を陥れようとしていたのも二重スパイの役目もあったようです。
すべての事件が終わり仁摩は過去の傷がなかったことにはできないが
癒されることはできて
愛することはできるようになることをしって、また新たな人生の階段を上っていくのです
そう・・蛇とワルツを踊りながら
人生のいろいろなことを乗り越えていくのではないのでしょうか・・・
今回のこのお話のシリーズにですけど
ほんとうに親に愛されていない人たちが多く出ていて
何不自由のない生活はしていても、愛のない生活はどこか虚無感に満ち満ちている
心にも体にも疵を負いながらも
愛すること
愛されること
そして触れ合うことがどんなに生きることに必要なのか問いかけたかったのでしょうか?
他のぺっとくんたちのあれからの生活とか動向が垣間見えて楽しさ倍増でした。
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