楽園は何処にもない(ルナノベルズ) [新書]
華藤 えれな (著)
実相寺 紫子 (イラスト)
(あらすじ)
どうだ、殺したい男に犯される気分は?
おまえは私の情人になり 私はおまえの神になる
「今すぐ海の藻屑となるか、情人として生きながらえ復讐のチャンスを待つか──。
両親の命を奪ったシチリアマフィアのディオに二者択一を迫られた航一は、
いつか男を地獄に送るため、屈辱に耐えその身を捧げる事を選んだ。
胸に所有の証を刻まれ、夜ごとディオに抱かれる航一。
まるでそれが快感であるかのように、憎しみを煽ってくる男に対し、
航一は彼の望みどおり復讐を計画するが……。
巨大ファミリーの後継者としてディオが背負う孤独で歪な運命を知り──!?」
華藤さんの外国物はちょっと・・・・と購入を手控えていたのですが
本屋で実相寺 紫子さんのデイオに一目で恋してしまったので買いました(笑)
いや、冗談抜きで本当に麗しくて冷酷で、でも愛を求める代わりに死を望んでしまう
その孤独な魂をすごく綺麗に表現しているのです。
お話も外国物は名前を覚えるのが苦手で敬遠していたのですが
受け君のほうは日本人ですのでおぼえやすくてよかったです(笑)
マフィアの帝王×日本人でイタリアの警察官をしております
暗黒のマフィアの世界に生まれた帝王デイオは生まれながらに
巨大ファミリーの後継者として認められる資質を持っております。
簡単に医者にもなり、その業務につきながらマフィアの仕事もこなし
ピアノ演奏でもチェスでもなんでも簡単に取得できる才能に恵まれております。
が、そんな何もかもに恵まれた彼に神が与えたもうたものは
不仲な両親と殺し合いを宿命づけられたかのような弟たち
それと味覚障害と眠れない体質であったのです。
反面警察官をしている航一は貧しいながらも両親に愛され健やかに育っております。
ふたりは出会いで魅かれあいます。
不幸な事件を元にして囚われるか殺されるかを選ばなくてはいけなくなりまして
航一はデイオを殺すことを条件に情人となり
その証拠として乳首にピアスをいれられるのでした。
それからもこのデイオたち兄弟のいびつな関係もあり
裏切りや抗争や殺人やレイプなどなどたくさんの出来事にからませて
ふたりの魂が結びついていくのですが
その二人の心情の変化もすごく緻密に書かれておりましたし
イタリアの風や風景の描写も素敵に描かれておりました
お勧めの一冊です。
書店によって書き下ろし
ショートストーリー付きペーパーがついているのですが
それにはあのふたりのアマアマなラブと可愛い男前受けである航一が書かれているのですが
それがまたよいのです。
できたらペーパー付きを購入してくださいね。
[3回]