茜色デイズ (ショコラ文庫) [文庫] 夏乃 穂足 (著), 本間 アキラ (イラスト)
茜色デイズ (ショコラ文庫)
（内容紹介）
大学時代、親友である倉田英慈への恋心を自覚した鮎川直也。だが責任感が強くて男気のある英慈には恋人がいて、直也は自分の想いを口にすることなく、卒業後数年経った今までずっと友達として付き合ってきた。苦しい片恋だが英慈の中に自分の居場所があればそれでいい―そう思っていた直也には、しかし英慈は知らない秘密があった。大学の時一度だけ、高熱で朦朧となった英慈と関係を持ったことがあったのだ…。
今更感想シリーズとでもいいましょうか・・
けっこう自分的によかったので再読を繰り返している割に
感想は書かないままという本が多いのです（笑）
挿絵の本間さん目当てで購入いたしました。
挿絵の力で内容がよりパワーアップという好例かと思われます。
お話は三作からなっております
「レモンとはちみつ」
中学の時に転校してきた鮎川直也はひそかにいじめにあいますが自らのプライドにかけて
いじめと戦ってきました。
そんなときに文化祭の劇をきっかけとして委員長である倉田英慈と交友を持つようになり
いじめも全く気にならなくなりました。
濃い友情は大学生になっても続き、同じ漕艇部にはいりふたりで船を漕いでがんばっておりました。
恋のような友情のような熱情のような想いは二人の間で揺れているのですが
様々なタイミングの悪さで告白すらもしてはいけないような・・
親友でいいと悲しく諦めてしまわなきゃいけないような状況のままなのです。
「茜色ディズ」
会社員となったふたり
状況は変わらないまま親友という立ち位置で満足していると直也なのですが
大学生と違って世界は広がっております。
尊敬できる上司が実はバイで直也に告白してきたり
同級生の友人が男同士でちょっとせつない恋をしていたり
自分の英慈への気持ちもますます強くなっているのですが
英慈は大学時代の彼女の友人を自分に紹介してきたのです。
恋が手に入らなくてもいい
友情は一生ものと決めてはいたもののつらさに押しつぶされそうになる直也に
上司である都村は救いの手を差し伸べてくれます。
その腕にすがりつきそうになる直也なんですけど・・・
やっぱり英慈以外の男の腕のぬくもりは受け入れれなくて
都村の腕を振り払ってしまうのです。
傷心の直也に英慈がとうとう自分の気持ちを固めてきてさらいに来ました！
お互い必死で友情という形を守ろうとしていたのですけど
恋だとちゃんと気がつくことができてよかったです。
「君が恋を知らない頃から」
英慈視点で描かれております。
なんと直也に対して恋だと気がつくのがけっこう早かった英慈なのですが
直也を守りたい
無責任に対応したくないと思うあまり恋を押し殺していたのです。
でも晴れて気持ちが通じ合ったのですからずーーと直也を思って悶々としていた部屋で
直也とあれこれしたいと素直に語っちゃうのですよー
自制心を固めるあまり無神経に気づかないふりをしていたんですね。
まぁ思春期の妄想をこれから受け止める直也もある意味幸福なので
終わりよければすべてよしということで・・（笑）
全体的にジレジレした切なさを堪能できますし
本間さんの挿絵がほんとうに綺麗でムーディなのでお話と合わせて堪能できました。
じれったい初恋の進ちょく具合を堪能なさりたい方いかがでしょうか？
[3回]
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