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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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捨てていってくれ (高遠 琉加)

捨てていってくれ (ガッシュ文庫) [文庫]
高遠 琉加 (著)
金 ひかる (イラスト)
 





(あらすじ)

綺麗だと思った。同性に対して初めてそう思った。あの時から、始まっていたのかもしれない―。大学生の隆之はアルバイト先の美人編集長・沖屋とセフレ関係にある。「俺と寝てみませんか」誘ったのは好奇心からのはずだった。クールで毒舌で奔放な彼の、違う顔が見てみたい―。いつしか沖屋に焦がれていた隆之。そんな隆之を沖屋は怜悧な笑みであしらう。身体は甘く許すのに、心を拒むのはなぜ…。何が欲しい?どうして欲しい?―あなたのすべてが知りたい。単行本未収録作も収録した完全版。


旧版ももちろん持ってますが、懲りずに新装版を買いました(笑)

単行本未収録作品と言うのも大きかったのですけど

こちらのリンク作でもある「犬と小説家と妄想癖」の感想でも書きましたが

なによりも純粋で強くたくましい沖屋の魅力もあったので。

最初の恋を別れで終えた沖屋の傷は深く、誰とも心の底からの関係を持とうとはしません。

恋人はいない、ひとりだと言い切りながら

セフレは4人もこしらえて、

不能となったセフレにはそれがなけれりゃ用はないと言い切る男なんですけど

その心の底には男なんか好きになっても不毛だ。

自分なんか愛してその男の人生に傷がつくくらいなら捨てて行ってくれたほうが

よっぽど気が楽だと思っています。

人を傷つけたその先で、傷つけた人以上に傷ついて血を流しながらも

傷ついたことすら見せようとしないその強さともろさも沖屋という人間の魅力だと思います。


年下の大学生のアルバイトである隆之はアルバイト先の美人編集長である

沖屋とセフレの関係にあるんです。

好奇心で始まった関係のはずなのに毒舌で奔放な彼の魅力に引き付けられていきます。

沖屋という人間の意外な魅力を知るにつれ魅かれて行く・・・

それなのに、身体は簡単に甘く与えてくれるのに

心はけっして与えてくれない

なぜ?

そしてなぜこうも唐突に自分との関係を終わらせようとするのだろう・・・


実は沖屋は過去の恋によって傷ついた経験があるので

大学生の隆之にいつのまにか恋していてもけっしてそのことを認めようとはしませんし

隆之に魅かれている彼女の存在に気がついてしまったら

不毛な関係は終わらせようと決心します。

たとえそれがどんなに自分にダメージを与えると分かっていても・・・

隆之は沖屋の他の男ができたという嘘を簡単に看破して

心の底から沖屋という人間を抱きしめて遊びの風を装った過去を悔いて

きちんと告白することから始めて

やっと頑なな沖屋の心を手にいれていきます。

年下の大学生の執着に負けちゃうのは・・・

もうしょうがないことだと諦めたような大人の顔でかわしながらも

可愛く泣いちゃう沖屋がほんとうにいいのです。

ツンデレ受けを美味しくいただきたい方いかがでしょうか?(笑)



コメントレスです♪

ゆうみさん
>交渉人祭り
ぜひぜひ参加させていただきたいと思います(笑)
今度のスピンオフ作品も楽しみですよね~
でも、今日明日は小説ビーボーイで小冊子「えだぼん」を手に入れて
榎田さん祭りになるんじゃないかと(笑)
ルコちゃんみたいにできないくんも可愛いんですよね~

コメントありがとうございました!

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交渉人は諦めない (榎田 尤利 )


交渉人は諦めない (SHYノベルス) [新書]
榎田 尤利 (著)
奈良 千春 (イラスト)
 



(あらすじ)

「俺は先輩だけの男です・・・たとえなにがあろうと、絶対に」
 
下町は両国に芽吹ネゴオフィスとして事務所を構える芽吹章は、
嫁姑問題以外ならなんでもござれの交渉人だ。
そんな芽吹の恋人は泣く子も黙ると評判のヤクザ兵頭寿悦だった、
ほんの少し前までは……
いまや兵頭は芽吹の敵でもある天才詐欺師・環の恋人となり、
痛めつけられる芽吹を見ても顔色ひとつ変えない。
仕事も恋もうまくいかず、傷心の日々を送る芽吹だが、
人を信じることをやめようとしない。
そんな芽吹に、環は苛立ちを隠さず……!?

 俺は俺を信じる。人を信じていこうとしてる、自分を信じる! 
すべてを懸けて、芽吹の反撃が始まる!?

第1弾:交渉人は黙らない
第2弾:交渉人は疑わない
 第3弾:交渉人は振り返る
第4弾:交渉人は嵌められる
第5弾:交渉人は諦めない
とうとうUSBと二つの事件は回転し、流れに流されて解明しつつあります。

二つの事件のカギを握る存在となる環もまた悲しい過去をもつようです。

芽吹と同じような傷をもちながら、かたほうは信じることに懸命に努力し

片方は信じないことに諦念している。

信じることに裏切られることもままあるのになぜ芽吹は信じられるのか・・・

それは芽吹の殻を破った兵頭の存在であり

その殻を一枚一枚丁寧に剥いて行った自殺した若林の存在であり

法律の勉強をともにすごした七五三野の存在であり

事務の仕事をしながら母の様に気遣ってくれるさゆりさんという存在があると思う。

そういういろいろな存在を助けながら助け合っていき

同じ時間を共有したという想いが強固な関係を作っていくのに

環はそれらすべてを否定してしまっていてそういう想いも楽しさも苦痛もしらず

ただただ人を苦しめる姿に歓びを感じて生きてきた。

そういうふたりが戦い合って傷つけ傷つけられて

最後に勝利するのは読者には簡単に分かる仕掛けだったと思う。

この事件を元にして

芽吹は兵頭への思いを強固に固めて行った。

自分の男、自分だけの男そういう独占欲にかられる自分

そう思える男に抱かれて幸福を感じる自分に幸福を感じながら

一抹の悔恨の情も忘れない。

生きることって、生き続けることって簡単なようで難しく

それでも、その生活を自分だけの男と生きれたらある意味幸福なんだと思う。


次回は大きい子と小さい子とのコンビのスピンオフが12月にでるらしい。

ハリセンボンの様に生きている小さい子がどういうふうに愛を感じて行くのか

榎田さんに期待大です♪

今回でたこの二冊とそのスピンオフで小冊子を来年から応募できるというのを

忘れないようにしないと・・・

そのあとでまた大人コンビのお話に続くらしい。

今度はできたらちょっと昔の夫婦漫才のような掛け合いを楽しみたいような気がする。

拍手[2回]

交渉人は嵌められる ( 榎田 尤利)

交渉人は嵌められる (SHYノベルス) [新書]
 榎田 尤利 (著)
奈良 千春 (イラスト)


(あらすじ)

俺はなにをしているのだろう。俺はなにを・・・失おうとしているのだろう・・・

下町は両国に芽吹ネゴオフィスとして事務所を構える芽吹章は、
嫁姑問題以外ならなんでもござれの交渉人だ。
そんな芽吹の恋人は泣く子も黙ると評判のヤクザ兵頭寿悦だ。
仕事も恋も順調! のはずの毎日だったが、ひとりの男が現れたことにより、
芽吹の過去が露になっていく。
それはかつて自分を救ってくれた親友への罪悪感であり、
芽吹の忘れることのできない傷でもある。
俺を選ぶのか、それとも―― 芽吹と兵頭が選んだものは……!?
まず声を大にしていいたい(笑)!
 
奈良さんの挿絵があ んまりです漫画チックに変容しているのです。

カバーの絵はお話の全容を現している感じで芽吹と兵頭の関係性を

じゅうぶんに意味を含めて描いてくれていると思います。

海の見える大きな樹の下でのロープをつるす芽吹といい

このお話をすごくよく読んだ上で描かれていると思うのですが

あの重厚な質感が・・・・どこかに霧散したかのようです・・・

白黒の挿絵が特に漫画化に変容しつつあるのが顕著に表れております。

ここまでの過去を投げ打って変容を遂げて新しいものにチャレンジできるって

奈良さん自身に強さがあるということと

変化しつつあるものに対して自信があるということなんでしょうね。

これからどういうふうに変化していくのか楽しみのようであり

せめてシリーズものは絵柄を変わってほしくなかったという希望があります(笑)


お話のほうはあたしがいまさら感想を書くほどの物は残っていないと思うのですが

備忘録を兼ねて書かせてください(笑)


今回のお話で芽吹の過去の全容がでてきました。

悲しい過去のせいで大きくて厚い殻を被ってうつむいてただ生きてきた芽吹

その殻を壊そうとやっきになって焦って強姦しちゃった兵頭

それにより傷ついてますます人生を後ろ向きに生きていた芽吹を

日の当たる世界を見せてくれた親友若林

その若林が巻き込まれた事件で

無罪を信じようとしてどこか信じ切れていなかった芽吹は

若林の自殺と言う結果を得てしまう・・・・・

それにより人を信じたいと思い、

常にそうあるべきと努力している芽吹であったことがよくわかった。


今回はふたつのまったく関係のないUSBと事件によりお話は進んでいく

そのふたつはまったく無関係ではなく、ある人物が主軸となって起こっており

その人物の思いを受けてお話は進んでいく

芽吹の人を信じたいと言う気持ちが根幹から揺るがされあえいでいる姿は痛々しい・・・

けれどその弱さこそ芽吹という人間の根幹であると思う。


今回は兵頭と言う男の不思議な弱さもかいまみれている。

昔の親友の夢を見てなく芽吹に告げる言葉は

「昔話にも嫉妬する。俺はあんたの明日には関われても、あんたの昨日には関われない」

という。

夢で泣かせた男を殴りたいとまで言われたら愛されている幸福に浸れるでしょうねぇ(笑)



拍手[2回]

八月七日を探して (樋口 美沙緒 )


八月七日を探して (キャラ文庫) [文庫
樋口 美沙緒 (著)
 高久 尚子 (イラスト)
 


 
 
(あらすじ)

八月七日嵐の夜、事故で三ヶ月分の記憶を失ってしまった高校二年生の水沢涼太。けれどそれ以来、なぜか毎晩強引に抱かれる淫夢を見るように…。これは実際にあった記憶なのか?手掛かりは、生徒会役員で、長身の男―。密かに悩む涼太は、自分と親しい幼なじみで副会長の二宮恭一と、会長の三年生、北川和馬を疑うけれど!?二人から寄せられる想いと真実に揺れる、トライアングル・ラブ。

暑さと湿気でからだがしんだーい!! と

人間も悲鳴を上げつつあるのですが
 
本も湿気で表紙がやたら丸まろうとするのです。

とくにキャラ文庫のカバーって丸くなりやすくありませんか?


巷で人気のある作家さんの様で

愛の巣へ落ちろ!」とか「愚か者の最後の恋人」とかも読んだのですが

ファンタジーのせいか絵柄もお話も可愛らしいものでして

なんとなく琴線にふれませんでした。

このお話は高校生の記憶喪失ものと言うことですし、挿絵が高久さんということで

わりあいに好みなので買ってみました。

今までの作品の中では一番おもしろかったです。


事故で三ヶ月分の記憶を失ってしまった高校二年生の水沢涼太です。

夢の中で手は縛られ強引に抑えつけられ関係をもっていることにも驚くのですが

なにより驚きを感じることは、この関係が初めてではないという感覚と

それにより自分が歓びを感じているということなんです。

肉体の感触と言うか、記憶はあるのですが

それがだれであるのかは分かりません。

恋しく想っている男なのか・・・・

やさしくしてくれる男なのか・・・・

不安に揺れながら今自分ができることを精いっぱいこなし

自分が恋した男との過去を見つめなおし

その失った記憶をとりもどそうとがんばっている姿には好感がもてました。


攻めと言うか恋しい男二宮恭一はむっつり君ですので

自分の弱さをそうそう水沢涼太にはみせません。

本音も吐露できないというか・・・自分の自尊心ゆえにというとこでです

涼太にしても恋しいと思う恭一にはけっして譲れないとこもあり

なかなか想いを素直に伝えることができないゆえにさまざまな出来事が起こったようです。

傍からみたらなんで素直に慣れないんだと言うじれじれとした

高校生の恋の物語

記憶喪失という部分もうまくつかってなかなか美味しい仕上がりでした。




拍手[3回]

僕のやさしいお兄さん(3) ( 今 市子)


僕のやさしいお兄さん(3) (花音コミックス) [コミック]
 今 市子 (著)
 


(あらすじ)

柏原聖<かしわばらさとし>は、二丁目デビューした夜 いきなり’千人斬り’と名高い男に恋をした。 しかし彼は、運命のいたずらで同居することになった 義理の兄鉄平<てつぺい>その人だった。 好きな人と、ひとつ屋根の下で暮らす毎日は悶々v ところがある日突然、鉄平が友人宅に 引っ越すと言って出ていってしまった!!? 大人気シリーズに描き下ろしをプラスした義兄弟ラブコメディ★
「百鬼」とも「幻月楼奇譚」とも違う味わいの一冊です。

というか、登場人物との相関もややこしいのだけど

ありとあらゆる事件が次々に起こるのでやたら慌ただしいのです。

今回は相関図が付きました。

関係性はこれで簡単にわかるので鳥頭のあたしにはありがたいです。

が!

しかしあいかわらずの鳥頭ですので事件とか、

そのときの気持ちがすっかりと抜けているのでまた一巻から読み直しました。。。。



主人公の聖の恋はまるきっきり相手にされていなくって前途多難と思っておりましたが

恋しい相手である鉄平は聖のことを愛おしく思っているのですが

幼い時に父の暴力に心も身体も痛めつけられた母親に守られることもなく

逆に「一度でもママを助けようとしたことがあった?」とか

「あんたは優しくない」と責められて言葉の虐待を受けていたトラウマがあって

大人の女性に対する恐怖心があるのですが

唯一聖の母だけが小さいからとかばってくれたわけで

ある意味鉄平にとって聖母のようなイメージがあるのです。

だから聖に手をだしちゃうことは、聖の母に対して罪悪感があるのです。


といってそう簡単に抑えきれないのが恋というもので

誰もいない部屋でキスしちゃったりはあるのですが

それも様々な事件や出来事が絡んできてなかなかBLらしい進展はありません(笑)


キスだけなので・・どっちがどっちなのかもわからないのですが

リバでもいいんじゃないかなと妄想してます(笑)

ゆっくりじれったい恋愛と複雑怪奇な人間関係を楽しみたい方にお勧めで!

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Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
木原音瀬さん・可南さらささん・水原とほるさん
水壬楓子さん・ふゆの仁子さん・華籐えれなさん
剛しいらさんなどなど・・・

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