八月七日を探して (キャラ文庫) [文庫
樋口 美沙緒 (著)
高久 尚子 (イラスト)
(あらすじ)
八月七日嵐の夜、事故で三ヶ月分の記憶を失ってしまった高校二年生の水沢涼太。けれどそれ以来、なぜか毎晩強引に抱かれる淫夢を見るように…。これは実際にあった記憶なのか?手掛かりは、生徒会役員で、長身の男―。密かに悩む涼太は、自分と親しい幼なじみで副会長の二宮恭一と、会長の三年生、北川和馬を疑うけれど!?二人から寄せられる想いと真実に揺れる、トライアングル・ラブ。
暑さと湿気でからだがしんだーい!! と
人間も悲鳴を上げつつあるのですが
本も湿気で表紙がやたら丸まろうとするのです。
とくにキャラ文庫のカバーって丸くなりやすくありませんか?
巷で人気のある作家さんの様で
「
愛の巣へ落ちろ!」とか「愚か者の最後の恋人」とかも読んだのですが
ファンタジーのせいか絵柄もお話も可愛らしいものでして
なんとなく琴線にふれませんでした。
このお話は高校生の記憶喪失ものと言うことですし、挿絵が高久さんということで
わりあいに好みなので買ってみました。
今までの作品の中では一番おもしろかったです。
事故で三ヶ月分の記憶を失ってしまった高校二年生の水沢涼太です。
夢の中で手は縛られ強引に抑えつけられ関係をもっていることにも驚くのですが
なにより驚きを感じることは、この関係が初めてではないという感覚と
それにより自分が歓びを感じているということなんです。
肉体の感触と言うか、記憶はあるのですが
それがだれであるのかは分かりません。
恋しく想っている男なのか・・・・
やさしくしてくれる男なのか・・・・
不安に揺れながら今自分ができることを精いっぱいこなし
自分が恋した男との過去を見つめなおし
その失った記憶をとりもどそうとがんばっている姿には好感がもてました。
攻めと言うか恋しい男二宮恭一はむっつり君ですので
自分の弱さをそうそう水沢涼太にはみせません。
本音も吐露できないというか・・・自分の自尊心ゆえにというとこでです
涼太にしても恋しいと思う恭一にはけっして譲れないとこもあり
なかなか想いを素直に伝えることができないゆえにさまざまな出来事が起こったようです。
傍からみたらなんで素直に慣れないんだと言うじれじれとした
高校生の恋の物語
記憶喪失という部分もうまくつかってなかなか美味しい仕上がりでした。
[3回]
PR