札幌の休日(3) (ディアプラス文庫) [文庫]
桜木 知沙子 (著)
北沢 きょう (イラスト)
(あらすじ)
芦谷と言い争い、罰であるかのようにくちづけられた皇。
そんな芦谷に絶望し、皇は奈里子からの告白を受け入れる。
だが皇の心は晴れず、生活は変わり、いつしかサークルの仲間たちとも距離を置くようになる。そんななか、東京へ帰省した折に父と衝突し、雨の降る夜の町に飛び出した皇だったが……? 青春BLの金字塔、最高にドラマティックな第三巻!!
書き下ろしも収録!!
いよいよじれじれした恋のお話も3巻になりました。
これを文庫化で毎月読めているのでそうじれじれあせらなくても 大丈夫なんですが、
リアルタイムで読んでいた方々はさぞかし 気をもんでいたのではないのでしょうか?
(なんたっていつ廃刊になるかもしれないし・・・)
今回は起承転結の転の部分ですので怒涛の展開です(桜木さん比)
一巻で恋の発露を感じ戸惑って、苦悩していた皇が
二巻では自分の思いをすんなりと受け入れれるようになっていました。
そして、この三巻では生まれてきたことにすら罪悪感を感じ、
すべてに流されて生きてきた皇が、はじめて流れに逆らって滝を登っていきます。
芦屋に彼女と別れることを告白されなかったということで
友情すらない関係だったと誤解して心地よい関係に終わりを告げ
自分の望まない交友関係を作っていきました。
けれど、そのむなしさに一番傷ついてもいたのです。
その傷みの中でもがき傷つきながら成長していきます。
罪悪感と言う感情に押しつぶされていて父親の期待道理に流されていましたが
父親にきちんと自分の気持ちを発露することもでき
周囲のやさしい感情にちゃんと気がつけれるようになっていました。
みんな恋の迷いの中で苦悩していることに気がついて
ちゃんと芦屋に告白までします。
芦屋が受け入れてくれなくてもいいとまで思いきって告白する姿がほんとうにいいのです♪
皇の罪悪感と言う厚い壁を壊したのも芦屋という存在なのですが
芦屋にとっても芦屋の深いところに受け入れたいと思う厚い壁をこわしたのは
皇という存在だったようです。
今回書きおろしで芦屋の気持ちも書かれておりましたので
旧版より二人の気持ちに流れが分かりやすくなっておりました。
この書きおろしが読むために文庫を買ったんだなと言う
あたりまえの気持ちを自分に再認識(笑)
[3回]
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