70%の幸福 (幻冬舎ルチル文庫 さ 4-1) (文庫)
桜木 知沙子 (著)
麻々原絵里衣(イラスト)
出版社: 幻冬舎コミックス (2007/07)
(内容)
理学療法士の日垣航星がリハビリを担当している創の父親・御木本隆一郎は、初対面から航星に冷たい態度を取る。最初は反感を覚えていた航星だったが、隆一郎が不器用なだけで本当は子どもを愛する優しい人と知り、気になる存在に。御木本もまた航星と次第に親しく接するようになる。やがて御木本への想いを自覚した航星は、遠ざかろうとするが…。
桜木さんの本ということで購入はしたものの
今一歩食指が働かず、積み上げておく一冊となっておりました
ちょっと新刊購入の旅に出ることが最近できなかったので
積読本の消化とばかりに読んでみましたが
相変わらず読後感はほんわかーとして、でも切なさと不器用な生き方しかできない人間の悲しさが満載の一冊でした
これを積み上げていただけの自分って・・・・・
と中途半端な反省も兼ねています(笑)
理学療法士の仕事を通じてしりあった患者さんの父親(御木本)の
ぶっきらぼうな態度に????と反感を感じながら惹かれていく航星
その父親の別居している妻が自分の兄の家に同居している事実を
知ってしまいます
困惑しながらも惹かれていくこの気持ちを消すことはできなくて
肉体関係を持ってしまうのです
体だけと割り切った態度をみせて御木本との関係を続けていく
航星ですが
御木本の息子の創が本当は母親と会うことを欲していることを知ると
この関係に終わりを告げるのです
本当は奥さんのいる人に惹かれたくはない
自分だけの愛する人が欲しくて欲しくて
でも御木本と創の幸せを考えて消えようとする
その気持ちはほんまに切なくて辛くて痛いのですが
自分の幸せよりも愛しい人の幸せを優先するその気持ちをもてるほどの
相手に出会えた幸福というものがあるなぁと感じました
人は誰でも100%の幸福を夢見ているけれど
本当は70%でも十分に幸せになれるし
お互いが思いやれるそんな関係が素敵でした
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