兄弟の事情 （渡海 奈穂）

兄弟の事情 (新書館ディアプラス文庫) (文庫)
 渡海 奈穂 (著)
阿部あかね（イラスト）


（内容）
 
可愛くて賢くて働き者と評判の水橋家の三男・紬里。だがそんな紬里はもうずっと、俺様でいい加減で女にだらしない次兄の和臣が好きだった。元より和臣には言いなりになる便利な存在としか思われていない。養子である自分が家族の輪を壊してはいけないという思いもあり、諦めたいのに諦めきれずにいたある日、紬里は和臣の友人に寝込みを襲われかける。だが助けてくれたはずの和臣に手を出され―。

三歳の時に母親に公園に捨てられた幼い子は、
 
虐待によるものか、栄養が悪かったせいか ちょっと発育も悪く言葉数も同年齢の子にくらべて少なかった。

公園で紬里を拾った和臣はその両親とともに温かく紬里を向かい入れてくれて育ててくれたのだった。

その両親が事故でなくなり、

いま現在は長男の利一郎と和臣と三人の兄弟として仲良く暮らしていたのですけど

実は紬里にはある秘密があったのです・・・

捨て子だったということに気が付いていることと

自分を拾ってくれた和臣に恋していること・・・・


実は和臣は男にも女にもだらしなくって、暇さえあったら紬里を苛めて？くるし

なんでこういう男に魅かれているんだ？？？？という状態でしたのですけど

拾ってくれてなおかつ初めて愛とかぬくもりをくれた存在であったということも大きかったみたいです。

最初の方でそういうエピソードがあったら、

なんでここまであんなひどい男に恋い焦がれているのかがわかりやすかったのでしょうが

残念ながらそこらは後回しになっていたので初回に読んだときは？？？？でした。

（あたしの読み込みが足りないとかそういうことは大きく棚上げなんですけど（笑））


家族でいられる間のたった数年間を大事にしたいと思い、

自分の気持ちを押し殺してささやかな幸福を守ろうとするせつなさは十分にありました。

阿部さんの挿絵もエロ可愛かったです。