酷いくらいに (ガッシュ文庫) [文庫]
高遠 琉加 (著)
麻生 ミツ晃 (イラスト)
(あらすじ)
料理人見習いの瀬名広見は、兄の恋人だった愁藤秋をひそかに想っている。
不幸な事故で家族と足の自由を失いながらも穏やかで優しく、懸命に生きている秋。
片思いのままでもずっとそばにいて、彼の笑顔を守っていけたらいい。
そう思っていたはずだったが、秋とあたたかい時間を重ねる中、愛しさとともに歪んだ欲望も募り―。
せつなく愛しい年の差ラブ。
優しくてせつないそんなお話でした。
兄の恋人だったひとに想いをかけている弟の恋の成就のお話と
書き下ろしでふたりの恋の成熟具合がかかれております。
不幸な事故で肢体が不自由なために人の援助がなくては生活に不自由がある秋
けれど秋という人間の魅力を知るにつれ
兄との恋の成り行きを見守っていたのですが
兄は長男だからと秋を捨てて未来を約束された人と結婚してしまうのです。
ただただ秋のそばにいたくて
秋を見守り続ける広見がじれったく感じましたが
その恋の想いが届いてよかったです。
兄の愛し方はただただ天上人のように慈善の心で優しい手を差し伸べる愛し方でしたので
それだけでは満足できなかった秋の想い
その秋の想いを薄々感じていたからこそ女の方との結婚を選んだのでしょうけれど
愛し方の練習が必要なんじゃないかと
ちょっと思ってみたり
育児と同じで可愛がるだけじゃ駄目なんだよねーと
いい子を育てたような振りして感想を言ってみたり(笑)
でも優しい静かな情熱があって
読後感がいいお話です。
[2回]
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