ブレッド・ウィナー (ディアプラス文庫) [文庫]
月村 奎 (著), 木下 けい子 (イラスト)
(あらすじ)
きみの笑顔の隣で生きていきたい。
家出した妻の実家であるパン屋と連れ子の双子を抱え、太一(たいち)は二十四歳にして人生投げやり気味だ。
そこへ店舗の買い手として現れたのが、高校の同級生・長谷部(はせべ)。
太一が売ることを渋ると、彼はパン職人として店でバイトさせてほしいと言う。
忘れたい記憶につながる男と関わりたくはなかったが、 いきいきとパンを作る長谷部はやがて太一の日常になくてはならない存在へと変わり……?
平凡だからこそ愛おしくて幸福な時間って、きっとある。
日常と恋を優しく描く月村奎の原点、ラブ増量&書き下ろしアリで復活!
以前白泉社花丸文庫からでた本が新装版で書き下ろしありとのことで
購入いたしました。
挿絵が木下さんに変わって好みでしたので(笑)
お話は高校の時の同級生同士・再会愛です。
奔放に生きている妻にパン屋さんと双子の男の子たちを押し付けられて
細々と生きている太一です。
ある日店の購入希望者が現れるのですが
その希望者長谷部は太一のほろ苦い?痛みのある高校生活を知っているのです。
店を売ることをしぶると
長谷部はなぜか購入できなくても その店で働きたいといってくれたのです。
嫌な思い出のある自分となぜ???
そう思いながらもパン作りに情熱を傾ける長谷部とともに働くうちに
徐々に太一も感化されパン作りの楽しさを感じていく太一と同じように
パン屋さんを自分でしているような楽しさを感じる作品でした。
一見ひょうひょとパンをつくっている長谷部のようですが
実は彼もやはり心の奥でこもっておる思いがあって
バイトでもいいからと雇ってもらい
パン屋さんとしてなくてはならない存在になっていこうとしてたり
太一に知らぬ間に経営にやる気をもたせたりなかなかやり手なのです(笑)
子供たちとの関係も諒子でしだいに太一たち家族にとっても
なにより太一にとってなくてはならない存在になっていこうとするその裏側には・・
太一を自分のものにしたいという高校生からの想いがあるんですよ~
もうその熟成した10年愛には誰もかなわないと思うのです(笑)
太一が子供たちを育てていく上で
自分が思春期のころに親とすれ違った関係のままだったことに
親だけが悪いんじゃなかったということに気が付いて
人間としても親としても成長していく過程もよいし
子供たちも可愛いし
なによりさっぱりとした好青年の影でちゃくちゃくと太一を落とそうとがんばっている長谷部に
惹かれました(笑)
あー・・・パンがたべたい(笑)
←食べたら記憶できるパン
とり頭の自分には憧れのパンです(笑)
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