いとし、いとしという心
かわい 有美子 (著)
南田 チュン (イラスト)
(内容)
京都の格式ある名旅館「井筒屋」の若き当主が亡くなった。彼を密かに恋い慕っていた侑央は悲しみにくれる。一方、葬儀で帰省してきた当主の弟・千秋は、次男として当然経営を継ぐと思われていたが、旅館を売却すると言い周囲を驚かせる。かつて一途に兄を想う侑央の想いと秘めた欲望につけこみ、関係を持っていた千秋だが、今度こそその心ごと自分のものにするため、侑央にある提案を──。乱れる心と身体は誰のために…書き下ろしあり!
かわいさんの好きな喪服未亡人萌え全開のお話だそうです。
男なのに未亡人???
などという常識はもう宇宙の藻屑に消え果てました・・・
前に出されていた「
夢にも逢いみん」とはレーベルが違うせいでしょうか
エロもくどくなく、あっさりーとした感じです。
かといって「
流星シロップ」のような爽やかな?男子寮とか友情のような話でもなく
どこか陰のある大人の男の子たちのお話でした。
京都の老舗旅館の後継ぎとその幼馴染さんとのお話なので京ことばといい
雰囲気はたっぷりと味わえる作品でした。
お話は由緒ある老舗旅館である「井筒屋」の若き当主が亡くなったことから始まります。
その若き当主に幼いころから恋心を抱いていた侑央もまた周囲の人たち以上に悲しみにくれております
一方当主の弟として葬儀に参列した千秋
大手都市銀行の出世頭として期待されて、また自分でもそのつもりであったのです
が、
彼は幼い時から二男として何も期待もされていない代わりに
周囲からの愛情も受けていませんでした。
当然家とか、旅館に対する愛着も薄く売ってしまえとの暴言まではいてしまいます。
これには周囲も困ってしまい
千秋と仲が良かった幼馴染の侑央に家を継ぐように説得してほしいと頼まれるのでした。
困るという内心の想いに逆らってまで周囲に断れない未亡人侑央。
実は侑央は当主になるはずだった男らしくてなにもかもに秀でた彼に
誰にも知られず恋心を持っておりましたが
その苦しさに耐えかねて、
彼によく似た声をもつ千秋に眼を覆われたまま肉体の欲望を吐き出すという
手伝いをしてもらっていた過去があったのです。
千秋は侑央が大好きというかもはや執着愛をもっていたので
侑央が兄を好きなら好きでそれでもよい、継げというなら継いでもいい
ただ侑央をすべて自分のものにしたかったのです。
病んでおります・・・
ヤンデレという言葉のままの攻め千秋がほんとうにかわいそうでした。
本来なら未亡人が悪徳攻めに弱みを見せられて思うがままにされるという
受けクン悲哀の話なんでしょうが、
幼いころから侑央をお嫁さんにしたいと思ってがんばってきた千秋に与えられたのは
困難の多い旅館経営と難しい人間関係と
自分のことなどなんとも思っていない情人なんですから・・・・
想いをこめて見守っていればそのうち身も心も自分のものになるとがんばっている
千秋に救済の手を・・・というか幸福を与えてあげてほしいとおもったお話でした。
これって高校生編がたしか雑誌に掲載されたそうなので、この続きもあると期待して・・
いいんでしょうねぇ?
帯の「狡くて、酷い男」
これって・・・あたしには未亡人さんのように感じられるんですけどー(笑)
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