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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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凍える月影 (いとう由貴)

凍える月影 (プラチナ文庫) (文庫)
いとう由貴 (著)
朝南かつみ (イラスト)




(あらすじ)

抱いてくださりませ、兄上──
縹国に使いとしてやってきた僧侶の月永は、世俗を離れた身でありながら、その美貌ゆえ国主・義康の寵愛を受けるようになる。だがそれこそが月永の謀略であった。月永は家族の仇を討つため、何も知らずに正道を歩む異母兄──義康を穢そうと身体を開いたのだ。義康を禁忌の関係に堕とし、国を滅するべく罠を仕掛けていく月永。だがそれは義康の中に眠る獣を目覚めさせてしまい…。


 雑誌リンクスで掲載されていたこのお話ですが

なぜかプラチナ文庫から出版されております。

この本で何に萌えたかというと、美麗なカバーと挿絵でございます(笑)

墨染の衣装を身にまとい、頑なな表情のまま恋しい人に背をむけて、

でも欲しいという気持ちはどこかににじみ出ております。

それらすべてを了解し、なにもかも引き受けた男の腕の中で

愛撫に身をまかそうとしているところの・・ようなきがしませんか?

だって・・帯を外したら、お坊様の手足が描かれていいるのですけれど

その硬い表情とはちがって、手足はほどよく力が抜いていて

なにもかも安心してまかせきっているのですもの~

この表紙だけで満足感を感じてしまう一冊でもありました(笑)



 そしてページを一枚めくったところに広がるカラーページがほんとうにいいのです。

柔らかな月の光に白い肌を片袖落として団扇で仰ぎながら涼を取っているのですが

その肌の質感と言い、背景と言い日本画のような世界が広がっております

朝南さんの麗しい挿絵に内容もほどよくマッチされていて

萌え萌えを十分に楽しめた一冊です(笑)


 

 腹違いの兄と知りながら、その兄の母に生母を殺され一家惨殺された月永

何もかも捨てて逃げる自分がどんなみじめな目に会ってきたか・・・

生きるよすがは、最後に聞かされた母の『生きなさい』の言葉だけであったのです。

我が身を生かすために、そして母や祖父・祖母の恨みをはらすために

国主・義康の寵愛を受けるように謀っていく。

母を殺す命令をした兄の母を陥れ

兄を陥れていく計画は着々と進めていくのだけれど

ただひとつ計算間違いは・・・

身体で兄を嵌め、陥れていくはずだけだったのに

知らず知らずのうちに自分自身も兄との恋に陥れてしまったこと・・・


なにもかもばれて兄から離れようとしたその時

母のいうことをよく聞き、温和で穏やかな国主であった兄が

月永を得るために変わっていきます。

国主としての強さをもち、確固たる信念をもった統治者に変貌していくのです。

国主である兄の隠された強さを発露させ、成長させてしまったことに

気がつくのです。

兄がたとえ禁忌の間柄とはいえ離れない、離さないと決意したときの

月永の絶望と幸福はすごくよかったです。




今度から・・お葬式などでお坊さんを見かけて萌えたら・・

どうしましょう(笑)



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なぜ、プラチナ文庫なんでしょ?

私も雑誌で読みましたよ。
確か、前後編だったですよね。
朝南さんのイラストは私も大好きです。
でも、雑誌ではなかなかイラストが少なくないですか??
美麗なイラストも充分に楽しみたいと思うのは、
私だけじゃないですよね~。

>お葬式などでお坊さんを見かけて萌えたら・・
そうそう・・・・、特に若いお坊さんを目の当たりにしたら
きっと、頭の中ではとんでもない事になってしまいますよ(爆)

大人の事情ちゅうやつなんでしょうか・・・

そうそう、雑誌で前後編でしたよね。
リンクスで出るのを楽しみにしていたんですが。なぜかプラチナからでしたよね・・
>雑誌ではなかなかイラストが少なくないですか??
そうそうたしか今確認してみましたが、後篇では表紙のみで
イラストぜんぜんなしでしたので、今回プラチナでたくさんのイラストがついていて、余計に萌えました!



この前の「麦隴の風」もまだ新書化してないですし・・
うーん、リンクスにお願いメールしたほうがいいのかもしれませんね。

>特に若いお坊さんを目の当たりにしたら
近くにエスパーのかたがいらしたら、ピンク色の妄想堪能してくださると信じています(笑)
コメントありがとうございました♪

追記させてー♪

雑誌掲載分に描き下ろし作品「けものみち」が載っております。
兄弟と言う禁忌の感情・仇討を成し遂げることのできなかった月永の負の感情が母の命日におまいりにくことでピークになるのですが
そこに現れたのは義康。

なぜ逃げようとするのかと月永を問い詰めていき
そして、ともにけものに堕ちようと抱きしめてくれるのです~

ふたりで行くのなら堕ちてもこわくないどころか、むしろ至福であると語る兄に惚れちゃいそうでした(笑)

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Lianha
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女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


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