A・KI・RA~路地裏の迷い猫~ (プリズム文庫) (文庫)
中原一也 (著)
楠本弘樹 (イラスト)
(内容)
「うち来るか?飯くらい喰わせてやるぞ」繁華街で拾った少年・明良に、つい親切心を起こしたフリーライターの葛城。居候となった明良は人懐こくて遠慮がなくて、アパートの個性的な住人達ともすぐになじんでしまう。しかしある日、葛城が入手した写真―そこには、男達に弄ばれる明良が…。動揺を抑えられない葛城に、明良は部屋を出て行く。そこに現れたのは…!愛に不器用な男と、愛を知らず彷徨う少年の胸に迫るラブストーリー。
あのエロとじで中原さんのおっさん同士の 濃厚でねちっこい愛と肉弾戦を拝見しちゃったので
中原さんの新刊ということで事前に内容を調べもせず・・・
裏のあらすじを見ることもなく購入に・・・
いやいやいや
さすが中原さんなんですよ。
でもねぇ・・・
中身がおっさんじゃないんです・・・・・・
せつなくて可愛い?恋を堪能していた遠すぎる過去にめまいが(笑)
中身は施設でセクハラされるめに会って施設を飛び出して自分ひとりの力で生きている少年明良
食い逃げをしていたところを奇特なおっさんに拾われて
なぜか養ってもらって・・・・
お礼に自分の体を差し出そうとしたら叱られて・・・
初めて人の情に触れてやっと本当の年齢らしく生きることを許されるのです。
餌付というか、刷り込みというか
初めて優しくされた大人に懐いていく明良がほんとうに可愛らしかったです。
おんぼろアパートに住んでいる人々もこれまた個性的で賑やかな人生を生きているようです。
もともと対立していた組のやくざであった二人は
真っ当に生きていこうとがんばっているんですが、
なぜかいつもあったらけんか腰で会話しているんですが
慣れてきた明良にとってはそれすらも仲の良い証拠に思えてくるのです。
夜のお商売をしている美紅は母親にうとまれ、
それでもなお昔の家庭的で幸福な家というものに憧れを抱いている。
インドの国からやってきたそのひとはみんなからマハラジャと呼ばれていて
御馳走になる料理はやっぱりカレー(笑)
笑ったことのない大家さんんが食べるお茶受けの一枚700円もするお煎餅を平気でぽりぽり食べながら
明良という少年がほんとうにいい子であどけないということがみんなに伝わってきます。
明良の昔していたことが葛城にばれたときとか
誘拐されちゃったこととか
葛城の甥をちょっとの間子守していた時に明良が感じる孤独感とか
ほんとうに楽しく読ませていただきました。
でも、おっさん同士じゃないのよ・・・と一言つぶやかせてください(笑)
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