恋で花実は咲くのです (新書館ディアプラス文庫) [文庫]
久我 有加 (著)
草間 さかえ (イラスト)
(あらすじ)
芸人になる夢を捨て郷里の温泉街で働く隼斗のもとに、元マネージャーの時田が現れた。
新しくできる劇場の専属の作家になってほしいという時田の頼みを隼斗は即答で断るが、彼は諦めずに温泉街に留まった。
お笑いへの熱い思いも時田への密かな想いも封印して生きていた隼斗。
だが彼の出現で忘れていた想いが溢れ出し……?
芸人シリーズ第四弾!
ヘタレ敏腕マネージャー×ツンデレ元芸人の三年越しの再会愛!
「
何でやねん! 1」
「
何でやねん! 2」
「
月も星もない 」
「
月よ笑ってくれ―月も星もない2」
「
それは言わない約束だろう」
売れている芸人同士お話やら、売れなくてやむなく違う道に進んだ元芸人さんや
芸人シリーズの第四弾がでました。
「恋で花実は咲くのです」
今回はヘタレ敏腕マネージャー×ツンデレ元芸人のカップルのお話です。
「バンテージ」に続き「パイロットランプ」が世に出て行きましたが
しゃべくり漫才というかお笑いのブームの終焉がきておりました。
テレビからネタ番組が消え、劇場も閉鎖が相次ぎ、
芸人がネタを披露する場所が激減してきつつある時デビューした「スパークファルコン」でした。
いろいろな新人賞も獲得し、テレビのローカル番組に出演しておりましたが
時流に乗れないままでした。
そんなときに実家の父親が倒れ家族が経営する温泉旅館の再興のために
実家に帰ることになった隼斗でした。
鄙びた温泉街の再興も順調で経営も軌道に乗り始め仕事は充実しておりましたが
けれどお笑いの夢はどこか自分を求めていて・・・
そんなときに芸人時代の元マネジャーからネタ作りの才能を認められ
新しい劇場を一緒に作り上げるために隼斗を迎えにきたのです(笑)
マネージャーと芸人として付き合いながらも
ほのかに?恋心を抱いていた時田と隼斗ですので
なんというか・・逃げられた嫁さんを必死の形相で迎えに来た婿さんの会話のようで
ノリのいい関西弁のテンポもあっておもしろいです。
「笑って花実は咲くのです」
今度は芸人ではなく新しく作る劇場の作家兼スタッフとして働くことになりました。
が・・・内部での問題も多く
以前のように時田の意見に100%頷けない自分がいて
いろいろ考え込む隼斗でしたが
問題の解決とともに、いまは芸人ではなくスタッフなんだから
意見の違いはあってもいいという時田の自然な言葉に救われるのでした。
ツンデレの女王様の隼斗と天然ボケの王子様時田の会話が
ほんとうのおもしろいので
楽しく読みたい方いかがでしょうか?
各お話の最後に雑誌掲載作の草間 さかえ さんのコメントが載っているのですが
それがまたいいのですよー
お話のすべてがそこに詰まっているといってもいい感じでした。
ちょこっとみたい方なら本屋さんでそこだけでもチェックしてみてくださいね。
[3回]