静かにことばは揺れている (幻冬舎ルチル文庫) [文庫]
崎谷はるひ (著)
志水ゆき (イラスト)
(あらすじ)
リラクゼーション系サービスを扱う会社社長・綾川寛二は
『子持ちの女装社長』で有名。
音叉セラピストの白瀬乙耶に突然キスされた綾川は、
妻亡き後、息子の寛のために女装していたが
自分はゲイではないと伝える。
以降、綾川親子と白瀬は友情関係を築くことになるが、
白瀬がふと見せる色っぽい顔、
そして純真な顔に綾川は次第に惹かれて…。
前作「
心臓がふかく爆ぜている 」で
主人公齋藤弘の初恋の相手であり良い兄貴役でもあり
小姑(笑)?でもあった綾川の二度目の恋のお話でした。
幼馴染であった妻に先立たれ、仕事と育児に翻弄していく中で
息子寛のために女装してがんばってきた彼です。
齊藤の知り合いで音叉セラピーとして仕事をしている白瀬は
青年期に得た家庭の軋轢で女性不信になりゲイとして生きております。
最初は綾川もゲイと勘違いされて誘惑させそうになりましたが
誤解と気づいてからは息子のシッターの役割もしてくれて
家族ぐるみで和気あいあいと関係が続いておおります。
前作はロハス関連の蘊蓄が非常に多くて、ちょっとお話の邪魔だと感じましたが
今回は白瀬が音叉セラピストということで音叉関連の蘊蓄が多いです。
また亡き妻の遺言で現在のロハス関連企業の隆盛にがんばってきた綾川ですので
彼の仕事の関連の話も多く出ております。
女装がネタのテレビ出演の関連もおおいです。
お話はボリュームがあってよかったです。
孤独でがんばってきたふたりが出会って子どもを中心とした家庭を作り上げていっています。
またこのお子様の寛くんがほんとうに可愛いです。
終始丁寧な言葉ではしゃぐ寛君にちょっとやられてしまいそうでした。
丁寧語で強引に攻めて行くなんて妄想をしてしまいそうです(笑)
白瀬のもつ不幸というか孤独であったことの原因がつきとめられ
みんなでそのことに向かって事件解決までいくテンポもよく
全体的に楽しくよませていただきました。
エロも濃厚でした(笑)
[2回]
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