俺がいないとダメだから (プラチナ文庫) (文庫)
高月まつり (著)
宝井さき (イラスト)
(あらすじ)
なんかさ…俺たち新婚さんみたいだね
同居する幼なじみ・良太郎に片思いする雪栄は、家事能力ゼロな彼の世話をするのが喜びだった。無邪気なくせに思わせぶりな良太郎に内心翻弄されつつも、自分なしではいられなくなればいいと思っていた。だが再会した年上の幼なじみにそれを見透かされ、大人の手管で迫られる。一途な恋心から拒絶した雪栄だったが、当の良太郎に誤解されてしまい、「捨てないでっ!」と縋られて…。
濃いお話も好きなんですけど
濃い濃いお話ばかり続くとどうしてもこういう軽く読める本に手を出してしまいます。
幼馴染でちょっと変わったというか、社会に不適応がちな彼
小さなころからしっかり者でそつのない行動がとれる雪栄は
自分がいなきゃダメになると思い込んで家事に彼のサポートにと頑張ります。
良太郎のダメなところもいいところも全部全部どうしようもなく好きでたまらなくって
告白したくってたまらないのですが
どうしてもそうすることができません。
雪栄の思いが妙に煮詰まってしまったときに現れたのは
幼馴染のかっこいいお兄さんでした。
小さなときからふたりの関係を大人の視線でみていたお兄さんからしたら
なぜ雪栄が煮詰まってしまったのかもうばればれで
大人の手管で雪栄の気持ちを振り向かせようとがんばっていましたが
最後の最後に良太郎が雪栄にすがりついてきてしまい
思いがけない良太郎の告白とともにふたりは想いを交わすのです。
軽めの文章がテンポよくどんどん進んでいくので
なにも考えたくないときとか、単純に笑い飛ばしたいときとかは
こういうお話に救われます。
個人的な好みでいえば、
社会不適応気味なくせに
雪栄の気持ちのありようだけはしっかりとつかんでいる良太郎よりは
大人の悪知恵・・というか
手練手管をフルに使える幼馴染のおにいさんのほうが魅力的なんですけど~(笑)
心が向いていない人には、
どんな甘い言葉でも気持ちが向けない一途な受けと言うのが好きなので
楽しく読めた一冊でした。
[1回]
PR