アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております
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俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスアルファ) (コミック)
水城 せとな (著)
女を抱いた次の日、俺は男との愛に耽溺する——衝撃のラブストーリー、完結編!!
妻と離婚した恭一(きょういち)。だが今ヶ瀬(いまがせ)との男同士の微妙な関係は、今も続いていた。今ヶ瀬に抱かれることに慣らされてゆく日々。ところが、恭一に思いを寄せる会社の部下・たまきの存在が2人の関係を大きく揺るがし始め・・・!?
ケータイ少女誌「モバフラ」で配信された水城せとな大人気シリーズ完結編!!
●収録作品/憂鬱バタフライ/黒猫、あくびをする《—新作描きおろし—》/梟/俎上の鯉は二度跳ねる
とうとう・・・とうとう最後までたどり着きました・・・
「憂鬱バタフライ」はジュディ本誌の付録につくという噂を聞いて
普段はいかない女性誌のコーナーでさまよった記憶があります。
「窮鼠」での最後、ふたりはお互いの想いに気がついて、とうとう体を結びつけました。
肉体関係を持ってこれで幸福という夢に浸っているかのようで、それがなにか暗い・・・
そのラストが印象的でした。
「憂鬱」ではなぜ恭一が女の人とか、人生に流されて生きるようになったかの
過去のエピソードが描かれていました。
誰にも優しくありたい、それが楽に幸せになれるような気がすると思いながらも
体は今ヶ瀬から与えてもらえれるものに悦びを感じていて
気を張らなくていい男同士の生活に心までも歓びを感じている。
そんな自分にどうしても違和感がぬぐえない。
「窮鼠」ではかっこよく軽妙になにもかも悟ったかのように生きている今ヶ瀬ですけど
恭一との生活に幸福を感じるとともに、不安になっていく。
いつか失ってしまうこの幸福をできるだけ長く続けたいという思いにとらわれるとともに
いつか失ってしまうなら早いうちに傷が浅いうちに、自分が自分を保つことができるうちに別れたいと思ってしまう。
恋に溺れて彷徨ってしまうこの幸福と不幸を味あわせてくれる作者さまの力量を感じるとともに
昔の痛みをさまざまと呼び起こしてくれて
泣きたいような、泣けないようなそんな感覚にとらわれてしまいそうでした。
憂鬱バタフライ/黒猫、あくびをする《—新作描きおろし—》/梟/俎上の鯉は二度跳ねる
の長い作品を通してこの二人はやたら言い合いをし、繰り返し痴話喧嘩を繰り返しています。
二度恭一ではだめといったのだから三度目は許さないと今ヶ瀬に恭一は最後通告をするのですけど
あたしからしたら二度でも三度でも四度でもこの二人はこういうぐるぐるした会話を繰り返しながら
お互いを認め合い、高めあい、けなしあい、殴り合いながらも続いていくのではないのかなという予想がします。
だって、殴ってでも今ヶ瀬に自分の気持ちを伝えようとしてしまう
今までの流され侍であった恭一ならこんな面倒なことはしなかっただろうし
諦めよう・忘れようとしながらでも恭一にしがみついてしまう今ヶ瀬も
ここまでしたら捨てられるとわかっていながらせずにはいられない気持ちを持っている。
そして、とことん人間として駄目な部分というか、本音というか、弱いところをさらけ出し合ってなお魅かれている。
ここまで情が育ってしまったのなら
たとえ何があっても簡単に捨てきれないと思うのです。
この恋が平和に終わりそううにない恭一のモノローグで話は終焉を迎えます。
流されて、流れ着いた先に恭一がたどり着いた位置です。
この恋を自覚しながらも、いつかは今ヶ瀬は自分の元から離れてしまうかもしれないと思っている。
けれどそれでいいと思う。
二人という人間はまるで違う人間なのだから失われたかけらのようにきちんと当てはまることは永遠にない。
でも今ヶ瀬が離れていこうとしても、今度は恭一からも橋をかけようとしていくとい決意があって
激流に流されたらまたかけ直したらいいと思っている。
同じ恋のまま時間は止まらない。
時間の流れとともに恋もまた流されていき
人の心も変わっていき
いつか想い出すらも変わっていくかもしれない。
そうしていきながら、恋が愛に代わって情になっていく。
愛情をきちんと積み重ねていく決心をしたからこそ、
指輪を買う話になって
お守り代わりにしていくこれからの二人に幸あれと祈りたいです・・・・
表紙のふたりはきちんとお互いを見つめ合って、そしてやっぱり恭一のネクタイを直しながら
健気にがんばるであろうという感じの今ヶ瀬の瞳がこれからのふたりを示唆しているかのようですしね(笑)
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