おとぎ話のゆくえ (幻冬舎ルチル文庫) [文庫]
一穂 ミチ (著)
竹美家 らら (イラスト)
(あらすじ)
ふらりと東京を出て、北の地方都市へと流れついた来杉隼人。そこに未だ息づく「お殿様」の存在に驚き、ばかばかしいと嘲って町の人たちから眉をひそめられるが、彼らが慕う若様―高校生の野衣湊にはどういうわけか懐かれてしまう。あまりにまっすぐな湊に苛立ち、どこかであわれみ、面白がっていた隼人は、いつしか湊を大切に思い始めて…。
なにも持つことを選ばない来杉と
何もかも持つことを選ばずにして持っている湊との恋のお話でした。
こんな旧家なんていう意識いまどきと考えそうでいて
田舎のあたりじゃごろごろと転がっている意識なんですよね。
持たざる者と
持つことを強いられた者と
立場はまるで違うようでいて同じような不自由さと苦痛と幸福があるような
そんな気がしました。
そんなふうにまるで違った立場でいて、それでも一目あったその瞬間から
お互いに魅かれ、恋に堕ちて行くのでした。
いったんは冷静に湊のために別れることを選び
また大都会東京で以前と同じように暮らしているようでいて
すでに食べるものからして違和感を感じている来杉
運命のめぐりあわせか、はたまた湊の想いが神さまに通じたのか
二人は再会し
離れようと努力はしますが、
湊を離すことはできないとエレベーターで降りていく彼の後をおって
階段を駆け下りていく来杉が素敵でした。
再会した彼らは湊とともに過ごした街に似た京都と言うところで
愛を育んでいています。
ちょっと?焼きもちや木の若様こと湊は天然のたらしのような才能を発揮して
なにも持たないことを選んで生きてきた来杉に
持つことを選ばせ、あまつさえ湊の誕生日を祝おうと考えさせている。
これは来杉に普通の幸福と感覚を与えれた湊の想いの強さの粘り勝ちのような
そんな気がします。
このおとぎ話が永遠に続いてほしいと祈りたいところなんですが
来杉を得て、ある種の強さを得た湊がいるから
なんとなくだいじょうぶそうな気がします(笑)
コメントレスです♪
ゆうみさん
>同人誌を読んで世界が深まる作家さんですよね
うんうん、まさにその通りです。
ゆうみさんも好き作家でしたか~
でも、商業作家さんとしては、同人誌で補完されないと魅力が半減というのは
はたしていかがなものなんでしょうか・・と悩むとこですね。
そうそう、考えないことは大切なポイントかもしれません(笑)
「爆破もの」は神さまとか調律師とはまた違った世界なのかもしれませんが
その危機感にせまった世界で主をすごく大事に愛している受けくんたちが
すごくすごく素敵なんです。
また勇気があればチャレンジで!
コメントありがとうございました!
[3回]
PR