散る散る、満ちる (ショコラノベルス) [新書]
凪良 ゆう (著)
海老原 由里 (イラスト)
(あらすじ)
美形だが人の好過ぎる如月春水は、有能な部下である里見幸一に密かな想いを寄せていた。叶わぬ恋だと諦めていた如月だったが、皮肉にも里見の恋愛相談に乗る形で彼もゲイであることを知る。落ち込み泥酔した里見を送っていった如月は、勢いに押され彼と一夜を共にしてしまう。しかし翌朝、何も覚えておらず焦る里見に対し、傷ついた心を隠して平静を装った如月は、彼の恋に協力することを申し出て―。里見には好きな人がいる。それを知りつつも体の関係を重ねる如月は…。温かく切ない、ラブストーリー。
真っ白な凪良さんのお話でした。
それでいて恋しい人を想う切なさ満載で読めた一冊です。
綺麗で思いやりもあって仕事もできる如月ですが、
幼いときに母親を亡くし。また大学生のころには父を亡くすという過去を持っているので
極端とも言えるほど人を愛すること、求めることが苦手です。
失う悲しみに今度こそ耐えられないかもしれない
なにも持っていないのならば、失うこともないとどこか後ろ向きのまま生きておりますが
それでも、恋しい人はいて
その人は家族からたくさんたくさん愛されて愛されることにも愛することにも
如月のように躊躇することのない天真爛漫さをもっているひとで・・・
彼から恋愛相談を受けているうちに、じつは里見もゲイでありことをしる。
その里見が泥酔したときに勢い余って寝てしまうのだけど
恋していることを告白すれば、里見という存在と遠くなるのではないか
里見の迷惑になるんではないかとひそかに悩みながら
これくらい一夜のアバンチュールと軽く受け流していく大人の男を演じるのです。
しかもー
里見の片思いの成就のためにお弁当まで作ってあげて
なにくれとなく世話してあげて・・・いい人すぎるぞ・・・・
自分の想いよりも里見の幸福を願うエピソードの積み重ねと
なんとなくずるずると続いている里見との肉体を含めた同じ時間の共有と
如月の悲しい過去のエピソードが実にいい塩梅でお話にちりばめられていて
極上の切ないBLに仕上がっています。
切なさを宝石のような煌めきで飾られているこのお話
読んでみたいと思いませんか?
と呟いてみる(笑)
ラストに如月の幼馴染の榎本のエピソードが載っています。
誰よりも如月の不幸をしり、誰よりも如月の幸福を願っている彼の
心のさざ波を知れば知るほど
本篇をうまく引きたてて引き締めております
凪良さんを追いかけてしまうかもしれません(笑)
コメントレスです♪
ゆうみさん
懺悔のお友達(笑)
あのじれったさと切なさを今でも愛しているのです・・・(笑)
>描写も今風になっていて
レストランはあたしも思いました(笑)
今ではフレンチよりイタリアンがお洒落なんですか・・・
ケーキバイキングじゃいけないんですよね(笑)
>真史のお話で、あ~このシーンに繋がるのかとニヤっと
気持ちは非常によくわかります!!
なんでお高いホテルで大学生がいたんだ・・と旧版では考えましたもの(笑)
いちゃいちゃしてたんですね(笑)
書きおろしの魅力に負けて買ってよかった一冊です。
コメントありがとうございました!
[4回]
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