札幌の休日2 (新書館ディアプラス文庫)
桜木 知沙子 (著)
北沢 きょう (イラスト)
(あらすじ)
芦谷(あしや)への気持ちを、皇(こう)はついに自覚する。
けれど、その感情を認めることはできない。
初めて知った胸の痛みを押し殺し、芦谷との友情を選ぼうとする皇。
そんななか両親の求めに応じて帰郷すると、
東京では早すぎる見合いが仕組まれていた。
そこで偶然、皇は芦谷の親友・真史と再会。
真史に導かれるように、
皇も芦谷への恋心を自分で否定しないでいようと決意するが……?
青春BLの金字塔、切なさMAXの第二巻!!
皇がとうとう自分の気持ちを自覚しました。
けれど、皇にはけっして人を愛してはいけないと思い込んでいる秘密があるので
その感情を自分自身に許すわけにはいけないと
必死になってあがいております。
その秘密関連に関してはネタばれになるので明かさないほうがいいんでしょうが
皇だけが背負うにはあまりに重い過去があります。
皇自体がその疵を作ったというわけではないのですが
皇が生まれることによって、
皇の父親とその元妻、皇を身ごもって結婚をせまった今妻(皇の母)の関係に
ねじれというか疵を作ってしまいました。
その過去を形作ったひとたちはどのひとも悪い人ではないのです。
自分が生きるために人の疵を斟酌しないというか
斟酌してもなお大事にしたいものがあって、
それゆえ人を傷つけることはあるのだと思います。
その過去を一方的に背負いこんでいる皇にとって大事なことは家の継続であって
自分の気持ちなんかではないと思い込んでいるので
恋と認めることができず、友情の型枠に押し込めようとしてうまくできず
友情すら変性させていくのです。
そんな頑なな皇の気持ちをやわらげ、ほぐしていくのはの芦谷の親友・真史です。
同じ芦屋という男を愛し、その恋は実ることはなかったけれど
芦屋という男を愛した時間で得たもので
次の恋を得た真史だからこそできたんではないかと想うのです。
芦屋を愛することを自分に許した皇に次の展開が待っておりまして
芦屋が彼女である紀保子と別れることをしり
その別れを事前に自分には知らせてもらえなかったことで
皇は自分が芦屋にそこまで信頼されていなかったのだと思い込み
芦屋の優しい強い腕を振り切って、友人である奈里子の告白を受け入れてしまいます。
うーん
恋愛初心者にありがちの思いこみというか、
芦屋にしてみれば皇に対する想いがあるから紀保子と別れることを決心したのに
それを皇に告げることで皇へ重荷をかけないようにしただけなのんでしょうけど
勝手に違う方向に誤解した揚句
友人でしか思えない相手とつき合うことにしたというのは
もう・・・としか思えないじれじれ感です(笑)
このじれじれが我慢できない人は・・
完結してから読むこと推奨いたします(笑)
ちなみに・・あたしはそのじれじれががまんできなくて旧版を買ってしまいました。
懺悔したほうがいい(笑)?
[3回]
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