左隣にいるひと (キャラ文庫) [文庫]
可南さらさ (著), 木下けい子 (イラスト)
左隣にいるひと (キャラ文庫)
(あらすじ)
夏休みに帰省した江沢を出迎えたのは、五年前にケンカ別れした親友だった。
高校時代、振り返るとそこにいて優しく笑っていた生方。
誰に告白されても「ごめんね」と困ったように微笑んで、最後は必ず江沢の左隣に戻ってくる―
そんな関係に戻れるかと思ったのに、昔のままの笑顔で「あの頃も今も江沢が好きだよ」と告白されて!?
左隣の特等席は永遠に君のもの―友情が恋へ育つ軌跡。
昨日書いたMr・シークレットフォロアのシリーズの感想を書いていくと書いたのは
どうなったんだろうと自分にツッコミをいれつつ
好きな作家さんであるこの方の感想をあげさせていただきます(笑)
キャラで初めて出されるということで、
出版社の違いで作者さんの個性が良いようにも悪いようにもなることがあるので
ちょっと危惧しておりましたが
再会もののセンシティラブは相変わらず切なくてよかったです。
高校時代は「金魚のふん」とまで言われていたふたりでした。
おっとりとしたかなりのお人好しの友人生方は「天然王子」と呼ばれておりまして
容姿の良さも相まってかなりのモテモテさんでしたが
律儀にお礼は言うものの、いいかげんな気持ちでは付き合うことができないからと
ちゃんと断って自分の左隣に戻ってくる。
そんな友人という時間がすごく楽しくて幸福だと思っていたのに・・・
高校三年の時に知り合った淡い初恋を抱いた少女もやはり生方のことが好きで
生方はいつもの通り断ったのだけど、そのあとに「江沢はどう?すごくいいやつだよ」
自分の恋心を知られていたというショックと恥ずかしさもそうなのだけど
恋する気持ちを親友だと思っていた生方が勝手に露呈されたうえ
譲られたというか哀れまれた・・・
そのことに腹が立った江沢は生方を殴り、顔も見たくないと言ってしまったのです。
もちろん本気ではなかったというわけでもないのでしょうが
腹立ち紛れの気持ちもあったし
なにより少し時間が経てば生方の方から誤ってくるだろうと思っていたのに
それからずるずると五年の時間が経ってしまったのです・・・
久しぶりに帰省した自分を迎えにきてくれた生方は相変わらず優しくていいやつで
飲み会で誤解を解いてすっかり懐かしい気持ちでいつもの左隣に立ってくれるのです。
友情が恋へ育ってゆくお話を丁寧に書かれていて楽しめました。
純情で乙女ちっくな攻めに対して、受けである江沢の方が男らしいというか
引っ張ってゆくカップルでした。
最後ちょっとリバッてもいいんじゃない?という雰囲気で終わっておりましたので
小冊子、または同人誌で期待したいと思います(笑)
あと生方の先輩で悪魔のように頭が良くて勘と察しがいい白井という男前がでておりまして
その彼の恋のあたふたも見てみたいような気がします。
[1回]
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