INVISIBLE RISK〈1〉 (ダリア文庫) (文庫)
崎谷 はるひ (著)
鈴倉 温 (イラスト)
(あらすじ)
青春の全てだったバンドが解散し、呆然とするベーシスト・杉本。そんな中、大学で「ベース募集」の張り紙を見つけ、そのままメンバーと顔を合わせることに。そこで低く滑らかな美声を持つヴォーカル・汐野に出会うが、中性的で優美な見目をよそに、中身は癇癪持ちのお子様で?!初対面で大喧嘩となった二人だが、手渡されたデモテープを聴いた杉本は、その美声に心揺さぶられ…。
バンドの世界のお話でした。
99年に出された作品の文庫化ですので
いまの崎谷さんにはないういういしさといいましょうか、若さの勢いがある文章です。
現在の崎谷さんと比べてよいか悪いかとかじゃなく、
確実に変化してきた方だなぁという印象があります。
自分自身が大切にしてきたバンドがどこか歪んできたというか、
確実に不要となりつつあることを肌で感じてきたベーシスト・杉本
就活をするかと思いつつも、音楽に対する執着は捨てきれない。
そんななかで「ベース募集」の張り紙を見つけ、応募する。
そこにいたのは、いざンのバンドとは違って成長途中の熱さをもった面子で
なかでも低く滑らかな美声を持つヴォーカル・汐野に出会うことにより
よりそのバンドに引き付けられていくのですが
汐野はとんでもないお子様で初対面の人間に喧嘩をふっかけるは
ランボーな行為を平気でしちゃうわ
おまけにどうしようもないだらしなさで女と別れたら寝る場所すらないという・・
面倒見のいい杉本と同居することになり、なぜ汐野があんなにホモを毛嫌いしているのか
自分自身の心の傷を隠すためにらんぼーになっているんだとか
わかりあってくるんですが
恋愛に至るまでのその経緯がちょっと長い・・・
以前のバンドのボーカリストとの再会とか、
なぜそのバンドが瓦解したのかは
書かなくてよかったんじゃないかなぁ。
あたし個人にはそのボーカリストはえらい魅力的に映ったのだけど
お話的にはまったく関係がないような・・
恋の言葉がないまま肉体関係に至るのだけど
そこらも勢いと情熱で先走りすぎみたいな・・(笑)
今回のお話自体はまだ続くので、
これから先がどうなるんだという部分で終わっております。
じれったい気分が嫌な方は完結してから読んだほうがいいんじゃないかなと思います。
攻めの杉本が男同士の恋愛が初めてなので最後まで至る経過をわからず
バンドのメンバーに聞いて方法とか準備するものまで買ってもらっています。
なにごとにも経験豊富で心配いらないよーと
豪語する攻めが多い最近では新鮮な感じです(笑)
[1回]
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