エンドレス・ゲーム (新書館ディアプラス文庫) (文庫)
月村 奎 (著)
金ひかる(イラスト)
商品の詳細
文庫: 343ページ
出版社: 新書館 (2002/12)
(あらすじ)
十四歳のとき母を亡くした誓史は、弁護士の佐伯に引き取られ、一緒に暮らしている。優しい佐伯は、誓史の母が亡くなる間隙、籍を入れるだけの結婚をして、行き場を失った誓史を迎えてくれたのだ。以来、誓史は佐伯への想いを隠して、偽りに満ちた家族ごっこを四年間続けてきたが、それはあるきっかけから綻びを見せ…!?表題作を含む三篇に、新たに書き下ろし二篇を加えた月村奎の人気作。
【目次】
エンドレス・ゲーム/アンリーズナブル・ゲーム/永遠になるまで/きみが思うよりずっと/スイート・スイート・タイムマシーン
文章とイラストがすんごく可愛いんですよね
金さん好きだわ(笑)
母親をなくした誓史は魅かれていた弁護士の佐伯の甘言にあまんじるという形で同居を始めるのですが
これがまた、なんとも楽しい(笑)
外では親切で優しい佐伯ですが
案外中ではぐうたらで寝ぼすけで人間的な魅力に溢れています
その佐伯と佐伯が拾ってきた猫の世話をする誓史の会話が本当にテンポがよくて、楽しいです
微妙な均衡が崩れるのはほんの少しのこと
佐伯の恋人と思わせている櫻井さんが家事で部屋を焼け出され
ついいってしまった、誓史の「同居したら」という台詞でした
思いがけずに言ってしまった一言で二人だけの家族ごっこが綻び始めていきます
それがいやで、自分が大学にはいったら出て行くと誓史がいい、佐伯は引き止めようとしません
引き止めないことは出て行けといわれているようで
今まで誓史がいなかったら生活していけないよと言われていた言葉まで信じれなくなってぐるぐる悩んでいきます
まぁ結局は二人は告白しあい櫻井さんは家をでて、
また微妙にもとの家族でもあり、恋人同士と言うニュアンスまで加わって
楽しい家族生活がもどってきます(笑)
月村さんの作品としては古いものですが
生活のエピソードとか会話のテンポの良さとか楽しい一冊です
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