ちゃんと待ってる2 (二見シャレード文庫)
可南 さらさ (著)
西河 樹菜 (イラスト)
(内容)
君が嬉しいと、きっと自分はもっと嬉しい
一緒にいると嬉しくて、暖かい 大学寮で隣同士だった智幸と貴一は少しずつ心を通い合わせ、恋人同士に。
しかしある出来事がきっかけで、貴一は智幸の前から姿を消してしまい…
あまりのモテぶりに”歯学部の女たらし”と陰で揶揄されるほどの男・白川貴一の恋人になって半年。相変わらず不器用で、感情表現の下手な貴一だったが、智幸の毎日はときめきと幸せに満ちていた。しかしそんなある日、貴一の母親を名乗る人物が現われると、貴一の様子は一変。不自然な言動が増え、寮にも戻らなくなってしまう。真意もわからず、心の支えにもなれなかったと自分を責める智幸。互いを思うあまりすれ違った気持ちを、再び通じ合わせることはできるのか――。雑誌掲載分+書き下ろし!
ちゃんと待っていたので とうとう・・・とうとう2巻を読むことができました。
いや、ほんとうに冗談ではないです。
雑誌は買わない主義でしたので
雑誌シャレードで掲載されたのが2003年
そして文庫化のお話が出たのが今年・・・
発売予定となっていたときはほんとうに目を疑いましたよ(笑)
もう、心の中では「これは一巻で完結されたお話なんだ・・・もう続きはないんだ!!」と
固く決めていたのですもの(笑)
まぁ発売延期になってしまったとときは
やっぱりと心を戒めてしまいましたが、ようやく読むことができました。
一巻では綺麗な顔だちをした不思議系の男前貴一くんでしたが
二巻ではなぜ彼があのように不器用で感情表現がへたくそに育ったのかがよくわかります。
育児放棄の上に夫の家庭内暴力に耐えかねて家を出ていった母親
果ては生活保護ほしさに子供を放さない父親
あげくに大きくなった貴一に産んであげたということで大きな顔をして
お金をむしり取ろうとしきます。
それでもその母を見切れない貴一
優しさということもあるでしょうが、
幼い子供にとってどれほど母という存在が大切かということもあると思います。
そして、そういう母を見てきたので
貴一は自分の愛情をわかってもらうために智幸に欲しいものを買ってあげるということで
智幸への気持ちを示してくるということが
普通に家族に愛され、普通に育ってきた智幸には理解できずにおります。
育った環境の違いを克服するためには会話が大切なのに
あいもかわらず不器用な貴一にはそれができません。
あげくに姿を消したりとか逃げの姿勢のままです。
恋人でもあり、もう母親に近い存在でもある智幸に
十分な教育を施してもらっていくしかしょうがないのかも(笑)
書き下ろしでは、愛情をちょっとずつ表現できるようになってきた貴一が
突然やってきた貴一の兄にちょっと魅かれた智幸にやきもちを焼いて拗ねて
無体なことをしでかしております。
でもまぁ、成長のあかしと気長に育っていってくださいと祈るばかりです(笑)
今年は可南さんの本をたくさんよめて嬉しい限りです。
作者さまご本人が怒涛の出版とおっしゃられているのですが
我がまな読者としては・・・
まだ文庫化・新書化されてないあの作品とあの作品をを・・・・と
心の底で小さくつぶやかしてください(笑)
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