初心者マークの恋だから (ディアプラス文庫)
いつき 朔夜 (著)
夏目 イサク (イラスト)
(内容)
年上のいい男に口説かれて、ホテルに入った新米教師の謙吉。なのに土壇場で怖気づき、彼がバスルームにいる間に逃げてしまった。後で悔やんでも、後悔先に立たず。ところが数ヵ月後、他校の会議室でその男・達川と再会した。そして、高文連弁論部門の専門委員として、共に活動することになったのだ。男としても教師としても憧れと尊敬の念を抱かせる達川に、謙吉は惹かれていき……。教師達のラブ・ディベート!
待望のいつきさんの「初心者マークの恋だから」は
ほんとうに文句なくおもしろかったです。
雑誌掲載時は挿絵が紺野さんでした。
挿絵としては夏目さんの雰囲気も大好きなんですけど、
紺野さんの雰囲気のある挿絵が好きなあたしとしては残念です・・・
攻めの達川はもうちょっと年齢を感じさせるロマンスグレー・・というには早いのですが
教職のベテランという感じでした。
ということでなんとなく紺野さんの挿絵の雰囲気を引きずって読ませていただきました。
内容のほうはさすがいつきさんといいましょうか、
高校教師同士の不器用な恋愛を
高校生の弁論大会・セミナーでの研修会・修学旅行といろいろ高校教師の裏側と
絡ませながら進展していっております。
初恋と気がついた、肉体的にも精神的にも未熟な謙吉がねほんとうにかわいらしいです
はじめての出会いのときはいざ事に及ぼうとする前に自分の体の未熟さに気兼ねして
ホテル代をおいて逃げ出しちゃうし(笑)
二度目は足がつっちゃうし(笑)
せっかく大胆にも仕事にからませて会ってことに及ぼうとしたら
向こうから弁論大会が終わるまではと断られちゃうし・・・・
お土産をうまく渡すことのできないその可愛い不器用さも含めて
真面目に真摯に高校教師として生きている可愛らしさが達川を魅力でメロメロに
しちゃったんでしょうねぇ。
その反面教師としてベテランの達川はやっぱり大人のこずるさというか
生き方まで熟知してて
来年雇用してもらえるかどうか謙吉が不安に思っていると気がつくと
二年が年季の弁論部門専門委員に選ばれるように仕向けていて
自分の仕事を手伝わすように仕向けちゃうし
謙吉が高校教師としてどういきていくかなどそれとなく示唆しちゃったり
まぁ絡めてで絡めて言って最後ほしいものを手に入れちゃうんですけどね(笑)
じれったいほどゆっくり進んだ二人の恋の進展も、
高校教師として謙吉の成長具合も楽しめて一粒で二度美味しいお話でした。
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