不条理で甘い囁き (幻冬舎ルチル文庫) (文庫)
崎谷 はるひ (著)
小椋ムク(イラスト)
(内容)
大手時計宝飾会社勤務の羽室謙也は、デザイナー・三橋颯生と勢いで体を繋いだが、相思相愛だったことがわかり、晴れて恋人同士に。ある日、颯生の古いアルバムを見ていて喧嘩になるふたり。意地っ張りな颯生は、それでも歩み寄りのためベッドをともにするが、なぜか謙也は途中で帰ってしまう。落ち込む颯生だが…!?雑誌掲載作と書き下ろしを収録。
痴話げんかでここまでしますか・・・
お若い方の情熱は激しいようで
もうねぇ、ほんとうささいな行き違いが原因で
話さないと決めた二人の喧嘩はメールで始まりました・・・
魔女の宅急便のOPとガンダムの「いっきまーす!」の 着メロの大あらしのなかで
静かに騒がしく二人の喧嘩は進んでいくみたいです(笑)
他人の冷静な目があればここまで進みはしないうちに沈静化しちゃうんでしょうが
痴話げんかはやっぱりふたりだけのときにおきちゃうようです(当たり前)
携帯の充電が切れておわった痴話げんかですが
なんとなくうやむやのまま体で消化しようとしてきた謙也の気持ちはわからないでもないんですけど
どこか潔癖な颯生はそれが許せなくて
きつい一言で謙也を拒否しちゃうんです。
その一言が原因であんなことになっちゃうなんて・・
まぁ男性ってというか、人間って強いようで繊細な存在なんでしょうねぇ。
こういう痴話げんかも込みの付き合いをしてきたのは颯生にとって謙也が初めてで
そういう乙女のようなとまどいもあって
なかなか素直に謝る気持になれなかったのですけど
仕事をしながら、自分も悪いところがあったと反省し
メールで会いたいと誘いかけます。
なのに謙也からの返事は妙に重くて・・・・
そしてひさびさに会えた彼、謙也の抱擁もキスも優しくて心地よいものだったのだけど
なぜか事に及ぼうとした謙也は急に帰ってしまうのです。
そう・・・
かわいそうに謙也くんは、
颯生のあの一言のせいで 心因性の勃起障害 になっちゃっていたのです・・(笑)
お互いに言葉と思いやりを忘れちゃいけないということですね。
そういうことが原因と知らない颯生はもうぐるぐる悩んじゃって可哀そうでしたけど
過去とかが気になるのもお互い様だし
過去があって今の自分があるので、そう簡単に否定もできないことが多いから
傷も痛みもお互いごと抱きしめてあげるくらいの気にならなきゃ
なかなか恋も持続しないのかも・・・
謙也くんの苦しい告白に
「謙ちゃんがいいなら、俺が抱いちゃう」とふたりが努力しちゃうとことか
謙ちゃんが痛がると
痛い目にあわすくらいなら一生セックスしなくていいと言い張る颯生もかわいいし
こんあ目にあわせていたんだと思いやる剣ちゃんもいいこだなぁと思わせるお話でした。
何ヶ月分かたまっていた謙ちゃんの欲求をはらすために
ふたりが努力しているところもえろえろしていて楽しかったです(笑)
まぁいい年齢をこいた大人同士が不器用な初恋をしているそういうお話に
小椋さんのエロ可愛い挿絵がこれまた雰囲気にあっていて
なかなか楽しかった一冊です。
この作品は来年第三段がでるそうです。
初恋になれて恋が熟成していく二人がみえるんでしょうかと
期待しております。
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