先輩とは呼べないけれど (キャラ文庫) [文庫]
可南 さらさ (著), 穂波 ゆきね (イラスト)
先輩とは呼べないけれど (キャラ文庫)(内容)
真面目でカタブツな保健所職員の理人は、過去のとある事件がきっかけで潔癖気味。
そんな理人の前に、上司の保健所長として現れたのは、高校時代の先輩で初恋の相手・
及川だった! 優等生だった面影はどこへやら、くたびれた白衣を身にまとい
飄々とした風情の及川。本気とも冗談ともつかない言葉でからかわれ、ペースを
乱されて戸惑うけれど、十年ぶりに同じ時間を過ごすうちにあの頃の想いがよみがえり…!?
そしてまたまた再会ものを堪能しました。
この小説は実は今年の夏に発売された小説キャラVOL・28に掲載されていたのですが
はっきりいって・・・
可南さんは熟考をして書いていくタイプなので・・・
今年中に文庫にまとまるなんて・・
信じられへん!!という驚きをもって購入した記憶があります(笑)
可南さんの切なさとかセンシティブさも生かされておりますし
これからキャラでの発売が増えればいいな・・と
わがままな読者が呟いております(笑)
高校生の時に先輩・後輩として出会った二人
ともに心地よい時間を過ごすことによって恋のかけらを感じさせていくのですが
悲しい行き違いがあって
これがふたりの優しい時間に終わりを告げる形になり
理人の心に癒えない傷となってのこり、潔癖症となって残り続けます。
そんな理人の思いをあざ笑うかのように
上司の保健所長として現れたのは、あの先輩・及川なのです・・・
学生の頃は勉強にも生徒会の活動にも熱心でまじめに真摯に生きていた人は
業務中に職場から消え失せるは・・
公園のベンチで昼寝をしているは・・
健康相談にキていた人を巻き込んでおいちょかぶをしているは・・
過去を振り返りたくい理人にやたらと突っ込んでくるわ
できるだけ遭遇したくないと避けているのですが・・・
過去を見つめて自分の傷を振り返るのはつらいけれど
過去を切り離すこともできず、
無意識に先輩である及川と一緒に過ごす楽しさもあって
毎日どこか心が落ち着きません。
そしてあるとき及川の心の傷と過去を知り、
自分自身が思い違いをしていたことをしるのです。
どんどん時間は流れおとなになってはいるのですが
心だけはあのころのまま止まっていた自分。
過去の傷を認識し乗り越えて成長していった及川。
そして今の自分にさりげない手助けをしてくれる及川に心惹かれないわけないのですよ。
雑誌掲載作にプラスして描き下ろしも載っておりますが
どちらも十分に恋の切なさを堪能出来ました。
まだ文庫化していないあれやこれやも
この調子でおねがいしますね。
とちょこっと呟かせてくださいませ(笑)
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