水原とほるさんの作家生活10周年記念として
「複数プレイフェアー」が開催されております。
既刊雑誌を一冊購入したらいただけるという例のあれです(笑)
中身は水原さんの「愛と贖罪」のその後と
中原一也さんの「双子の獣たち」のその後でした。
水原さんの作家生活10周年記念なのに何故中原さんとセット??
という気持ちがありました・・
大人の事情なんでしょうか・・
最近徳間書店さんがなさっているいろいろなフェアーについ懐疑的になってしまう
あたしの気持ちのせいかもしれません(笑)
愛と贖罪 (キャラ文庫)(内容)
両親を亡くし、叔父の直人と暮らしている大学生の歩。
心に傷を抱える歩にとって、柔和な直人との生活は、
唯一の癒やしだった――。
ところがある日、見知らぬ人物と直人の
サディスティックな情事を覗き見てしまう!!
そのうえ直人は「歩も興味があるんじゃないの?」と
妖しく誘いかけてきて…!?
親の因果が子に報い・・・という古い一文を思い出してしまいました。
自分の父親が過去に叔父である直人に家庭教師としては逸脱した行為で
直人の元からあった淫靡な快楽が開花されたのか・・・
それとも男の手によって無理やり教えこまれた快楽にあえいで
自分はこういう人間だと貶められた結果なのか・・・
両親が亡くなり、叔父の直人と暮らすようになった歩は
ある日叔父が縛られ、倒錯的な行為で快楽に啼かされている場面に遭遇してしまう。
しかもそのことを叔父に知られ、叔父の手によって自らも体を開かされ
快楽とはなにかと教えられ淫靡な世界に引きずり込まれていくのです・・・
水原さんらしい綺麗な文章で流暢にまとめあげている一冊でした。
でも叔父である直人も男に抱かれてエスな行為を喜んでおりましたので
いくら愛に基づいているからといって
甥っ子の歩を抱くだけで満足できるのかなという疑問が流れておりました。
抱かれる二人の容姿がきれいなので
どちらかというと百合っぷる??と思うような感覚で読み終えたのを覚えております。
けれどこの小冊子では叔父の情人であるタカの手を借りておりますが
無事に歩も男子の本懐を遂げておりまする(笑)
叔父と二人だけで愛の生活を堪能している歩です。
けれど、叔父がタカに縄で縛り上げられ自由を奪われている姿を見せられ
その官能的な姿に引き寄せられます。
痛くない?と聞きながらも触っていいと聞いてしまうところがなんとも男の子だねと
呟きたくなりました(笑)
叔父を無事に抱くことができ、これからの二人の世界に光明が見えてきたと思う歩に
タカがかけた言葉が印象的でした。
「心がからっぽにならないようにいつも抱きしめていてやれ」
おそらく叔父の直人の空っぽさや空虚感を誰よりも理解し
でも自分では決して埋めきれないとわかっている大人の男だからこそでた言葉なんでしょうね・・
悲しい乾いた音楽を聞いているような小冊子でした。
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