約束 (ガッシュ文庫) [文庫]
可南 さらさ (著), 六芦 かえで (イラスト)
約束 (ガッシュ文庫)(内容)
他人を避け孤独に生きてきた有也と、生徒会役員で人望の厚い颯はクラスメイトで寮のルームメイト。
正反対の二人の秘密―外では他人のフリ、部屋では恋人の関係だということ。
颯が有也に触れる指先は甘く、有也にとって生まれてはじめての恋だった。
しかし、ある夏の日、颯が事故に巻き込まれたことにより二人の関係は突然終わった。
―彼はもう自分を覚えていない。
それから数年後、颯のことを忘れられずにいた有也の前に再び颯が現れ―。
秋の夜長もけっこう忙しい・・・
でも、心の潤いがほしいというときは読んでしまう可南さん
切なさで胸がキュンキュンできるし、涙が流せれるのがいいんですよね・・・
普段の生活でなかなか泣くことってないですよね。
でも、ときどき涙流すくらい感情を発露できることがあたしには必要なのかなぁと
思うのです。
これは「
告白」のスピンオフです。
前作では横暴で傲慢な生徒会役員の攻めとすこーし天然なかわいい受けくんのお話でした。
ちょっことでてきてはいるのですが
場所が同じですけど前作とはかかわりはまったくないので
これだけ読んでも十分楽しめます。
夏の章と冬の章の二部構成でできております。
夏の章ではふたりは高校生でした。
母親の奔放な生き方と自分の出自に心の闇を感じて生きてきた有也
生徒会役員で人望の厚い颯
人と関わりを持たずに生きていこうとしているのに
甘く心地よいその時間を受け入れることのないふりでやり過ごしてきたのですが
颯は有也の心の内側にどんどん入り込んでくるのです。
けれど運命は有也にとってけっしえやさしくはありません。
颯に誘われた地元のお祭で楽しい時間を過ごし心が癒やされていくことを
知ってしまった有也なのに
颯はその日を境に高校の寮に帰ってくることはなかったのです・・・
冬の章では事故で記憶を失って、身体に大きなキズを残していた颯と
再会いたしました。
恋をしていたあの高校生の時間も有也にとって大切な思い出の時間ですが
再会した時からはじまった新しい颯との暖かで幸福な時間も
ほんとうに大事な時間なのです。
けれど友人のままでいいと積み重ねていく時間と思い出を溜め込んでいましたが
颯に婚約者がいることを知ってから
これ以上そばにいることが辛くなって、
颯の幸福を壊したくなくなくて離れようとします。
自分を幸せにしてくれた彼が幸福でありますように・・・
そう祈れる自分であれるように・・・
ラストがハッピーエンドだとわかっているのに
その切ない恋心で胸がキュンキュンできるのでつい何回も読んでしまうお話です。
[1回]
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