HOLLY MIX (Holly NOVELS) [新書]
安芸 まくら (著), 尾上 与一 (著), 木原 音瀬 (著), さと みちる (著)
HOLLY MIX (Holly NOVELS)(内容)
Holly NOVELS(ホリーノベルス)8周年書き下ろし番外編集。
人気タイトル作品の、その後から過去まで、それぞれの恋人たちの優しいシーンを集めてみました。
本編後はどうなったのか、あの時どうだったのかが、本書でわかります。
いとしい彼らとふたたび会える場所。それぞれの本編の番外小説を一冊にまとめました。
●安芸まくら
深井結己/画
『明日も愛してる』番外編
「今日も愛してる」
13分ごとに過去を忘れてしまう
恋人を見守る男は今日も……。
今までなら13分は記憶はとどめておけたのだけど最近では12分しか留めれなくなってしまったのだ・・・前向性健忘は進んでいく・・・今は17歳の自分に戻ってしまっているその恐怖すら12分の猶予しかないという悲しみ恋人は毎朝ハウスキーパーとなって彼の悲哀の目覚めを支えてくれる。すこしでも長い間覚えていてもらいたいと願う彼の真摯な気持ちに心が揺さぶられるのです。●尾上与一
黒沢要/画
『二月病』番外編
「真夏の花」
高校生最後の夏休みに千夏と
お遍路に出た蒼司はすぐに後悔して……。
お話のそのちょっと前の彼ら高校生最後の夏を歩るき遍路に挑戦するふたり蒼司にとっては二人だけの時間の中でどんどん恋心が熟成されていくのに千夏にとっては友情を深めていくだけの日々この想いはけっして叶うことはないとわかっているのにけっして捨てられないと気がついてしまう。切ないお話でした。*
『碧のかたみ』番外編
「間宮」
この夏夢中になって読んでおりました。書店別のペーパーを手にれるために我が家には三冊この本が並んでおります(笑)あの戦場で、戦争の真っ最中に必死になって生きていること生活を楽しむこと生きている今を謳歌していたということがすごくうれしいです。このところの戦況のため昼もなく夜もなく飛び続けているふたりです。とくに操縦士である亘の負担はおおきくばてています。そんなときに給糧艦である 間宮 がはいってきたという情報がながれてきました。名だたる有名戦艦より人気のあるこの間宮とは食品の補給艦で肉魚など多量の食料品を補給するばかりでなく内地にいてさえなかなか手にはいらないようなまんじゅうやアイスクリームなかでも間宮羊羹として名をはせている間宮で製造されている羊羹はあの虎屋さんより美味しいそうです。亘に間宮と俺とどっちが好きか?などと問うと間髪入れずに間宮と答える亘です(笑)好きなものと守りたいものというか、大切にしたいものでは意味がちがうでしょうとツッコミ入れながらも幸福そうな時間が、あたしまで幸福にしてくれました。
もし未読の方いらっしゃいましたら是非本編と合わせて読んでみてくださいませ♪●木原音瀬
小椋ムク/画
『リバーズエンド』番外編
「end roll」
吉田は十亀と合同で映画を
撮ることになり考えついたのは?
本編その後のみんなの様子がわかります。あれから十亀は映画監督になり海外のでかい監督賞を受賞し万はお父さんの遺産であるラブホテルが国の区画整備で買い取られたのでその時の資金をもとに2件のビジネスホテルとラブホテルを経営しているようです。三十歳の万にますます十亀は心も体も惹かれているようです(笑)弟も調理師の免許を取り割烹やカフェで実力をつけていますし他の映画関係者のかたがたも地道に努力をみにつけはじめているようです。そんななかで映画の新作を撮る話がでてきました。それは十亀の自伝でというお話でした・・ただ生きるだけで精一杯で幸福とか不幸とか考える隙間すらなかった彼のあの過去を映画にしたいと働きかけていくのです。自分のあのころの時間をまた繰り返す・・・いい脚本だと思いながらもそのことにしっくりと行かない感覚をもつ十亀そんな十亀に万が告げた言葉はモデルになっている十亀が見つめ返した過去でまたつらい思いをするところを見たくないというのです。姉や弟の悲しい死をみたくない。むしろ映画だからこそ幸福になっているところがみたいと・・・ほんまにそのとおりですよね・・男女の惚れたはれたにうんざりしている自分がいて生きているだけで悲しいと思うことが多すぎるのでせめて一時の夢を見ることができる時間だけは幸福な時間を堪能したいですもの。「爺さんになってもそばにいろよ」最上級のプロポーズだと思いました。●さとみちる
秀良子/画
『日月星、それからふたり』番外編
「日月星、その後のふたり」
ホントに男が好きなのか赤城でいいのかを
考えはじめた実成は……。
●COMICショート
草間さかえ『生田さんちのこめ王子』番外編
黒沢要『二月病』番外編
あれとか、これとかの気になる作品のその後を新書という形で読めた幸福を
感じております。
普通なら同人誌という形をとるか、
はたまたよくある雑誌と既刊本を合わせて購入し
金額を振り込むか、為替を購入し
応募券を規定の紙に貼り付けて住所を買いて
封筒にも住所を買いて・・と膨大な手間がかかるのを必死になってやりとげて
半年か一年後にようやく受け取るという小冊子にならなきゃ読めないものですよね。
これをまとめて読めるということも幸福でした。
蒼竜社さんのご英断と作者様に感謝を送りたいです。
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