夜より深く (SHY NOVELS 201) (新書)
藤森 ちひろ (著), 蓮川 愛 (イラスト)
商品の詳細
新書: 249ページ
出版社: 大洋図書 (2008/1/30)
発売日: 2008/1/30
(あらすじ)
「君が隠しているものをすべて、見せてごらん」
母を事故で失い、ジュエリーショップを引き継いだ水本愁一の前に一人の男が現れる。
それは、以前母の葬式の場に居合わせ、愁一に冷ややかな視線を向けてきた男だった。
遠山紘貴と名乗るその男は、ある指輪を探してほしいと愁一に依頼する。
・・・果たしてこれは偶然の出会いなのか。
だが、愁一の本能が告げていた。
この男は危険だ、と。
やがて愁一は遠山の手によって自分の裡に潜んでいた欲望を知ることになり!?
王子様は母親にかけられた呪いのために、人を愛することも愛されることも知らないまま
自分で作った鉄壁の城塞に閉じ込められています
それを助けに来たと言うか、見学にきた王子様に身も心も翻弄されたまま
愛される喜びを知っていくお話でした(笑)
自分のことと、奔放な恋愛で一杯だった愁一の母茉莉子は
男と身体で戯れているところを息子に見られても、不敵な笑顔で答えれる
女性でした
そういうトラウマと、祖父により「母のようになるな」という教育で
愁一は恋愛関係を持つとか肉体関係を楽しむとか以前に、人と触れ合うことさえ
恐れを持つようになっていました
若くして茉莉子が事故でなくなって、そのジュエリーショップを引き継いだ愁一のまえに
ある男が現れます
遠山紘貴は祖母の家族の間に代代伝わる指輪を探してほしいと愁一に持ちかけてきますが
実は遠山の父は 愁一の母茉莉子と恋をしていて
お互いに将来の約束をし、指輪を交わすほどの中でしたが
遠山の家族の反対により結ばれることがないまま、指輪は茉莉子に託されていたのでした
その指輪を取り返すためにと、茉莉子に父親との関係を壊されたことにうらみを抱いていた
遠山は、愁一を利用しうらみを晴らそうと企てて近づいてきたのでした・・・・・
篭城し安全な檻の中で孤独と言うことすら知らずにいた愁一にとって
その遠山にされた裏切りも堪えますが
何より、一度愛情と肉体の触れ合いの暖かさを知った身には一人という悲しさが
より辛いものでした・・・・・
母茉莉子のように自棄と諦念により他の男に身を任そうと流されるシーンは
本当に涙ものです・・・
自分のダメ駄目さに気がついた王子様が迎えにきてくれて、指輪を渡してくれて
ハッピーになれます(笑)
作者様があとがきで、モ○プチしか食べないような、プライドの高い子猫を
無理やり手なずける話になってしまいましたと書かれていました(笑)
蓮川さんの絵ともベストマッチングしておりますし
さすがSHY、レベルが高いなと思える本でした
『君がどんなに淫らか、教えてあげよう」
突然、目の前に現れた男ーこの出会いは偶然なのか、それとも罠なのか!?
[1回]
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