きみの処方箋 (ディアプラス文庫) (文庫)
月村 奎 (著), 鈴木 有布子 (イラスト)
文庫: 252ページ
出版社: 新書館 (2004/8/10)
発売日: 2004/8/10
(あらすじ)
父を知らずに育った智朗は、たった一人の家族だった母を亡くして伯父の家に引き取られた。けれど頑固な伯父とは衝突してばかりのうえ、従兄の克巳からは屈託もなく言い寄られ、智朗は早くこの家を出て独り立ちしたいと思っていた。ところが、心臓の病にも負けずに明るく見えた克巳には、実は智朗が思いもよらぬような秘密があり…。きみを守りたい、そして癒したい―あの名作が、書き下ろし短篇とともに甦る。
実の母により大切な人と引き裂かれた智朗の母はよりかたくなに頑固に
息子をしつけていきます
簡単にあやまらないこと、簡単に礼を言わないこと
やがて、母の死とともに伯父に引き取られるのですが、素直に愛情を発露できない病に冒されているw?血筋なので
進学問題とか、生活費等々について実にさまざまに争っているのが切なく
笑えます(笑
御互い思いはあるのですが、また頑固で意固地で可愛いです(笑)
いやおう無く同居に踏み切った伯父の下には 息子の克己がいて、
可愛い妹由貴ちゃん・優しい伯母がいて頑固な伯父がいていい家庭と思っていた智朗でしたが、
実は克己にも、伯母さんにも秘密のというか、優しい嘘を胸に秘めたまま、智朗に接していたのです
克己は何事にもポジテイブで、明るく楽しく青春と生活を謳歌しておりますが
実は、本当の親に冬の寒い日に捨てられ、熱発で心臓の弁に異常がある病気を抱えております
その時点で子供の無かった伯父夫婦に引き取られますが、その後伯母に妊娠が発覚します・・・・・・
人の心の深遠は誰にも簡単に理解できるものではなくて
誰もが傷と蔭を持っているのだけど
そうだからこそ、他人に傷や不快な思いをさせないということが大事なんだろうなと思います
克己のようにもう一歩進んで他の人も笑顔になれるような考え方ができるようになればなおいいんでしょうが・・
年齢はいっても、なお未熟者のアタシにはなかなかです(笑)
克己は過去の施設仲間 草子とのいざこざがあって、足の骨をおって、心臓の悪化のために入院をしますが
そのとき初めていろいろなことがわかってた智朗は、
今まで頑なに拒否してきた人の優しい気持ちを受け入れ理解し
なお一歩進んで、克己への気持ちを受け入れ、克己を治すために
医学部に進学しようと決心するのです
愛情が深いからこそ、きちんと説明しなくてもわかってもらえると思いがちないろいろなことですが
やっぱり、きちんと形にして言葉で確認あうということも大事なことなんだなと思いました
恋の成就後のお話もあり、なかなかに読ませてくれる一冊でした
切なく涙したい方いかがでしょうか?
「好きで好きで、心臓がとまっちゃいそうだよ。」
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