未完成 (白泉社花丸文庫BLACK) (文庫)
凪良 ゆう (著)
楠本 弘樹(イラスト)
(内容)
夏休み最後の金曜、高2の瀬名櫂人は、クラブで英語教師の阿南珪が男とキスするのを目撃してしまう。面白半分にゲイとバラすと脅したが、阿南は余裕でかわす。「いい子だから、大人の愉しみを邪魔すんじゃねえよ」意地が悪いけれど色香が溢れる微笑に、瀬名は魂を射抜かれてしまう。以来、瀬名は阿南に付きまとい、どうにかセフレに持ち込むが、教師と生徒、男同士、10歳の年齢差を考えると実る恋ではない。そんな時、瀬名は両親の離婚で転校することに…!?未完成のまま恋に溺れる子どもと、子ども以上に未完成な大人が綴るラブストーリー。
初めて読む作家さんなんですが、いつもこっそろお邪魔させていただいていブログで面白いと書かれていたのと、設定が好みなので買ってみました。
家族の不和で家庭に安息を感じられなくなって、成長期のいら立ちのようなものとともに
すべてにいらだっていたような少年瀬名。
偶然遊びに行ったクラブで出会ったそのひとは自分が通う高校の教師であった。
阿南に絡んではみるものの大人の余裕でかわされたことが腹立たしくも魅かれていく要因となるのですが・・・
絡んでいく名瀬に対して本気で自分の良い面も悪い面も見せていく阿南
ひどい言葉で内省を促されたりするわけですが
おためごかししかないというか高校教師として外面だけで対応されていたときよりずっと人間味を感じてなついていきます。
家族の不和により荒れる名瀬に対して救いを手助けする阿南
居場所を作って話を聞き、ただ時間を共にするだけなんですけど、それにたいして癒しを感じていく。
懐いてきた大きな子犬の感情が恋から愛に代わっていって、阿南の肉体まで求めてきますが
高校教師として、大人として阿南は受け入れてはいけないと思いながらも
名瀬の情熱に引きずられていくのです。
子供特有の、愛する人しか見えない情熱は痛々しくもせつない
その子供の時を切り抜けて、
その気持は理解できていても、大人として生きてきた時間や常識とかなにもかもがその情熱だけを支持することができない哀しみ・・・
やがて親たちの離婚を契機にしふたりは別々の人生を生きることを決意するのです。
帯に「恋する子供は成長し
恋する大人は子供に孵る」とありますが
恋をしたら大人も子供もある意味同じラインに立ってしまう
大人だから恋のせつなさに慣れるなんていうことは絶対に無いと思うのです。
離れることでこの恋の感情を維持できるかどうか、
お互いを思いやれることができるかどうか
それすらも日々の果てになるんじゃないかとかいろいろな思いで
二人は別れて生きることを選択しますが、
離れることでお互いがきちんと自分の気持ちに整理をつけて、再会し共に生きていくことを選びます。
高校生の大型ワンコしつけ調教、いい犬に育てていく成長期を楽しみたい方いかがでしょうかw?
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