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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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クライムダウン ( 秀 香穂里)

クライムダウン (SHYノベルス312) [新書]
秀 香穂里 (著), 水名瀬 雅良 (イラスト)

クライムダウン (SHYノベルス312)




(内容)

このカラダには、愛されて、嬲られて、なお燃え盛る淫蕩な火がある・・・

優秀な商社マンで華やかな恭一と、喫茶店を経営する寡黙な一哉は
同じ顔をした双子でありながら、まるで光と影のような兄弟だった。
メンタルクリニックでカウンセラーをする弦は、
兄の恭一と付き合っているが傲慢で身勝手な彼との恋に疲れ、
優しく穏やかな一哉に強く惹かれていた。
そんなある日、兄弟は二人だけで夏山登山に出かける事に。
弦は彼らの下山を待って、恭一に別れを告げ一哉に想いを伝えようと決意する。
だが悪天候に見舞われた二人は遭難してしまい、
生きて戻れたのはたった一人で・・・!?



正直にいいますと、秀さんの作品のあれこれ読んでおりますが
繰り返して読むという作品ではないなという感覚でした。

ワーキングの部分の読ませどころは本当にしっかりと書かれているので
自分でも経験したことのない職種を堪能させていただいておりましたが
イマイチ恋愛の部分が弱いというか・・
実感が無い感じでした。

この作品はワーキングの部分もあるといえばあるのですが
お話の進行に必要な部分だけでしたし
恋の目覚めから、愛の深みにはまっていく過程が丁寧に書かれていて
読み応えがありました。

レーベルというか、
出版社さんによって同じ作家さんでもずいぶん違ったイメージを
持ってしまうことが有りますね。


新書と文庫だと書く分量も違うのだとは思うのですが
編集さん次第というところが大きいのかなという印象もうけますね。


幼い時から父親に殴られて罵られて育った弦
自分は悪い子だから殴られても仕方ないという思いを刷り込まれて育ってしまう。
名家の出でしとやかでおとなしい母は殴られる子供をかばうこともなく
自分だけ実家に避難してしまうという・・・

そんな家庭でも、自分にとっては唯一無二のものなので
無視されるよりは殴られている方がいいと思い育ってしまう。

DVの連鎖を断ち切ることもなく
自分を貶めて喜んでいるような男に恋をしてしまうのです・・・

傲慢で身勝手な恭一
たとえ自分は結婚しても弦離さないと言うのです。

弦が自分の弟に密かに恋をしていることを知っているのですが
弟の一哉もまた弦に惹かれていることを知っているのですが
そんな気持ちさえも自分のわがままで傲慢な思考で
無視し傍若無人に振る舞います。

彼ら双子もまたおとなしいサラリーマンの父と勝ち気な母に育てられ
あからさまな偏愛と無視によって育てられた子供なのでした。

家庭によって幼い頃から染みこまされ、歪まされたものは
大人になってもなかなか矯正できるものではないのでしょうね・・

そんな悲しい背景をもつ三人の孤独な魂の行き場は
兄弟は二人だけで夏山登山の遭難により大きな転換をむかえます。

その転換を語っちゃったら・・・
お話が全部よめて楽しくないのでここでやめておきますが
寸止めが嫌いな方はどうぞ一読してくださいね(笑)


山での独特のルールとか、
山の美しさとか
その背後にある危険とか
わかりやすい文章で丁寧に描かれていて
自分でも山に登っているかのような気持ちにされます。

このふたりがこれからどういう道をたどっていくかが
興味があります。








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トリプルルーム   (秀 香穂里 )

トリプルルーム (二見書房 シャレード文庫) [文庫]
秀 香穂里 (著), 兼守 美行 (イラスト)
 
トリプルルーム (二見書房 シャレード文庫)



(内容)

そいつと俺と、どっちが気持ちいいんだ?

脚本家として駆け出しの向井。
バツイチになり寂しい生活が始まるかと思いきや、
人気俳優の宮乃と、若手俳優・伊織から迫られて…。

役者の芽が出ず、脚本家として駆け出しの向井。
妻に見限られバツイチになったばかりで寂しい生活が始まるかと思いきや、
人気ナンバーワン俳優で長年の親友・宮乃と、
注目株の若手俳優・伊織から迫られることに…。
親友の仮面を脱ぎ捨て、狂気じみた愛情をぶつけてくる宮乃、
そして出会って間もないにもかかわらず強い執着をみせる伊織。
平凡な向井の生活は男たちの愛欲に搦め捕られていき――。




最近あたしのなかでのマイブームがエロエロしいのと3Pなのです(笑)

前からだろうが・・と突っ込まれそうなのですが

3Pよりは一棒一穴主義でした!・・・よね。たぶん・・

これはあらすじと挿絵に惹かれて購入いたしました。



バツイチになった途端男にもてもてになっちゃうのです。

しかも昔からの親友であり人気ナンバーワンの俳優である男と

これからの注目株俳優の男からです!

どっちを選んだらいいのかしら・・と悩みはしません(笑)

まぁどっちも男だし、同性愛なんて晴天の霹靂のはずなんですけど

年下の可愛い?求愛行動にもなんとなく流されちゃうし・・

(いくら個室とはいえ店でフェラされちゃうのを許しちゃうんかい!)

親友の強引な求愛に恐怖や嫌悪感も感じないままでいっちゃうし・・

(薬を一服服用させられて、強姦されてそれでいいんかい)

などなど数々の突っ込みどころが無いとはいえないんですが

この流され侍ぷりはほんとうに見事としかいいようが・・・


でも、二人の男に愛されまくってみんなで幸福になるのなら

流され侍でもいいかなぁ・・と思ってしまう自分が怖い(笑)

今ならペーパーもついておりまして

年下の可愛い男と同い年の強引で傲慢な男に愛されまくっている

流され侍が堪能できます(笑)

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大人同士(秀香穂里)

大人同士【キャラ文庫】 [文庫]
秀香穂里 (著), 新藤まゆり (イラスト)

大人同士【キャラ文庫】



(あらすじ)

「作家にいい顔するだけの編集なんて無能だ」優秀だけれど廃刊寸前の文芸誌で燻る編集者の小林に、毎日喧嘩を売ってくるのは同期の時田。分析能力に優れた営業部のホープは、実は小林と同じゲイ。ある夜「外回りで疲れた俺に肩くらい貸せ」と挑発され、つい勢いで抱いてしまい!?犬猿の仲の二人が恋に落ち、やがて週刊誌の黄金時代を築いていく―「他人同士」待望のスピンオフ登場。
他人同士1」「他人同士2」「他人同士3

この「他人同士」という作品は一巻のみ発行されて、

あとは諸事情で発行されることがなかったということで

同人誌でちまちままとめたせいでしょうか、なんか人間関係の絡みが中途半端 感じで

三冊も必要なかったんじゃないかなというのが感想だったんです。

この作品はそのなかで同じ会社の先輩でもある小林や時田という魅力的な人たちの

若い頃のお話です。

二人が雑誌という黄金時代を築き上げながら

お互いに恋いに惑い、愛にさ迷いながら

お互いがお互いになくてはならない存在として積み上げていく日々を

お仕事と生活とうまく絡められておりました。

あたしてきにはこっちのオヤジカップルの方が好きです。


「大人同士」

優秀な編集者の小林と、営業部のホープである時田

同じ性癖であることがわかっていながら、

なぜか友人というかあくまでも知り合いというか

同僚程度の付き合いだったはずのふたりなのですが

なぜがなぜか体の関係を持ってしまうのです。

そのことをきっかけにして時田の破天荒さの裏にあるものを感じ取った小林は

時田をくどきまくっていくのです。

小林の口説き文句にすこしずつ気持ちや体が変化していく時田が

可愛くって素敵でした。



「同僚同士」

大人同士では28才のかれらがここでは31才

同居して生活も安定し、仕事にも大きなチャンスが転がってきます。

そうした生活が二人の心にすこしずつ変化をつくっていき

やがて一緒に暮らしている意味がわからなくなった時田と

離れて生活することで時田のありがたみというか、離したくない存在ときがつく小林

28才のころのほうが大人げがあったとおもう小林(笑)


経験者であったということもあるのでしょうが

ワーキングの部分がほんとうに書くのがうまい作家さんだと思います。

楽しく読ませてもらいました。



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なぜ彼らは恋をしたか (秀 香穂里)

なぜ彼らは恋をしたか (キャラ文庫 し 2-19) [文庫]
秀 香穂里 (著)
梨 とりこ (イラスト)




(あらすじ)

建設会社の若きチーフ・デザイナーの緒方。次の仕事は新興のライバル会社と合同の新ビル計画だ。会社の格と己の才能、当然リードするのは私だ-けれど相手方のデザイナー・堂島は、骨太な容貌に、繊細で確かな才能の持ち主。見せられた第一案に早くも打ちのめされる。「誰よりあなたに認めてほしいんだ」素直に意見を求める堂島に強い羨望と嫉妬を覚えつつ、緒方はその存在を無視できなくて!?



ワーキングBLというのでしょうか

もともとお仕事関係についての表現のうまさで定評があるかたですので

畑違いのあたしにでもよくわかるようなお仕事の説明があって楽しかったです。

ビルをつくるなんて野望も希望もまったくないんですけど

二人の男たちの夢とか希望とか仕事にかける意気込みというのが

非常によく楽しく伝わってきた一冊です。


ただ・・・

仕事上の熱意はよくわかったんですし

正反対のようでいて仕事のコンセプトと言うか仕事にかける情熱をもったふたりが

なぜ恋に堕ちたのか・・・

といわれたら

よくわからないのです。

おもしろかっただけにそこが残念・・です。

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堕ちゆく者の記録 (秀香穂里)

堕ちゆく者の記録 (キャラ文庫) (文庫)
秀香穂里 (著)
高階佑 (イラスト)

(内容)

『9月1日、俺は目覚めると、檻の中に囚われていた―』ある日突然、勤務先の青年社長・石田に監禁されてしまった、デザイナーの英司。「今日から君をAと呼ぶ。これは三十日間の実験なんだ」石田は1冊のノートと鉛筆を渡し、日記を書けと命じてきた。名前と自由を剥奪され、身体も精神も支配される―官能と狂気に晒されて、人はどこまで理性を保てるのか、衝撃の問題作。





監禁者に好意という感情がもてるという監禁されたもののもつ特有の感情

ストックホルム症候群も味付けのBLとでもいえばいいのでしょうか・・・

感情の動きが緻密な文章で描かれていて

なぜか監禁した存在に対して、同情とか共感を感じてしまう小説でした。

生まれおちてひと月もたたないうちにコインロッカーに放置され

産み落とした親という存在に殺される運命だった監禁者のK

Kとともに仕事をし、両親に過不足なしに愛され、充実した人生を歩んでいるA

Kに捕獲され実験動物のようにいろいろ試され

過去をしり、いまのKの感情の動きを知るにつれ魅かれていってしまう。




挿絵の高階佑の挿絵がまた雰囲気をすごくうまくつかんでいるのです

監禁した上位の存在であるはずのKの沈鬱で楽しみをうまくつかめない

享受できない雰囲気をすごく色っぽい視線と退廃的な表情で書かれております。

檻と一枚の毛布

そしてトランプと日記と男たち

この表紙だけで十分萌えを補給できると思ってしまいました(笑)


現実の世界に飽いた人たちにお勧め・・かも




そしてひとつ謎が・・・

快適な空調に守られた部屋。そして檻

大きな檻の中には毛布とトランプと日記だけのはずですが

何日か放置されるとき・・・

排泄はどうしていたんでしょうか・・・

ということにちょい悩んでみる(笑)




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プロフィール

HN:
Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
木原音瀬さん・可南さらささん・水原とほるさん
水壬楓子さん・ふゆの仁子さん・華籐えれなさん
剛しいらさんなどなど・・・

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