バロックの裔―無垢なまなざし (リンクスロマンス) [単行本]
和泉 桂 (著)
梨 とりこ (イラスト)

(あらすじ)
華やかな都とは対照的に、悪党たちが暮らす砦『バロック』。そこでスリの修業をした少年・三春は、都で初仕事の獲物だった青年・良成と再会する。華族の良成は優しく理知的で、三春の罪を責めずに親切に接してきた。生きる世界が違うと知りながら、良成に少しずつ惹かれる三春は、子爵家の跡継ぎの座を巡る陰謀に巻き込まれた良成を守るために、バロックの仲間の手を借りるが―。一途な純愛ゆえに罪を犯す、ピカレスクロマン登場。
裔の意味がわからなかったので調べてみました・・・
えい 【×裔】
[音]エイ(呉)(漢) [訓]すえ
1 遠い子孫。「後裔・神裔・苗裔・末裔・余裔」
2 遠い辺境。「四裔」
◆原義は、着物のすそ。
このお話は2世紀半にもわたる鎖国からようやく解き放たれた皇國(こうこく)のお話です。
この国には二つの都がありまして「皇都」という国には善良な民が住み
「バロック」と呼ばれている都は邪悪な民が住むところと住み分けがされております。
今回のお話はバロックに住んでいるスリ見習いの少年と
皇都に住んでいる華族の心やさしき青年の恋のお話でした。
本篇はこのシリーズの最初の本でもあるせいか
世界観とそれを取り巻く人間たちのことに多くのページー数をとっているせいか
ふたりの恋のはじまりとか、その行方とかは
ちょっと淡々と進み過ぎているせいか
なかなか恋物語に集中できませんでしたが
悪の街に住みながらも、その優しい心根を持ち続け
けなげに青年を想い
青年を陥れようとした父親を反対に陥れたりします。
その気持ちは永遠に伝わらなくてもいいとばかりに
女性の身代わりになって身体を差しだしたり
結核と言う病にかかり、療養が必要なのだけれど
そのお金も人に頼るだけならとこっそり野垂れ死にをえらぶとこなど
せつなさといじらしさがすごくよかったです。
でも・・・・
このお話では脇役なんですが、
凄腕の詐欺師である桐谷とその情人?である侑生との隠微な関係が
ぞくぞくするほど怪しくて素敵なのです(笑)
バロックの悪人を追及する弁護士であり伯爵家の長子でありという
クールビューティが詐欺師の桐谷に翻弄され肉体で絡め取られているのです~
こちらのカップルは雑誌と新書の予定となっているそうで
待つ楽しみができました♪
[1回]
PR