パラダイスより不思議 (新書館ディアプラス文庫 198) (文庫)
松前 侑里 (著)
麻々原絵里衣(イラスト)
(内容)
恋人に裏切られ自殺を図った悠。しかし飛び降りる直前に栄養失調で倒れていたところを、仕事中のペット探偵・貴広に拾われる。貴広は動物の言葉がわかるらしい。飼い猫の口から一文無しである事情を知られてしまった悠は、貴広の世話になることに。だが貴広は動物の気持ちには敏いくせに、人間には無愛想この上ない。それでも共に過ごすうちに悠は彼の不器用な優しさに惹かれてゆき…。
松前さんのひさしぶりの書き下ろしというか新刊です
やたらなエロがあるわけでもなく
斬新な設定があるわけでもないんですがこのかたの作品は好きです
このかたの共通点は、
愛されなかった過去のトラウマを主人公が持っていることかな
今回の話も施設から義理の両親に引き取られたものの
愛され方をしらずにいい子であろうと空しい努力を続けていく 悠
大好きだった彼 大地 とのキスシーンを義父母にみられ
勘当を言い渡され大地とともに住むようになったのはいいのだけど
大地は友人と浮気し駆け落ちを・・・・
なにもかも絶望して食事をとることも忘れた遥の命をつないでいたのは
猫に餌をやること・・
遠くの国道で猫が死んでいるという話を聞きなにもかもに見切りをつけて
飛び降りようとした瞬間・・・空腹で倒れてしまうのです(笑)
そんな遥を助けてくれた人は動物の声理解できるわりに
人間の感情の機微にはいまひとつのペット探偵貴広
男という性別にはなりきれなかった美人秘書の玲
雪のようにまっつしろな猫と牛柄のブルテリア
そして大きなゴールデンレトリバーと時々エッチな言葉をしゃべるオカメインコ
おいしい定食やサンの美人姉妹
優しくてしっかりとした人たちに囲まれて悠の第二の人生は始っていくのです
貴広と仕事とするようになり、さまざまなペットと出会いいろいろな経験をするうちに
お互いが微妙に変わりあっていくところの細かなエピソードが丁寧に
描かれていました
まぁペットの声が聞こえたいかた読んでみたらいかがでしょうか?
救われたのは命じゃない。誰かを好きになる気持ち。[0回]
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