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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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はつ恋  (榎田 尤利 )

はつ恋 (ビーボーイノベルズ) (単行本)
榎田 尤利 (著)
小山田 あみ (イラスト)
 
(内容)

事故が原因で2度目の高校生活を送る久我山。大人びて冷めた瞳の久我山に、担任の曽根は親身になってくれる。うっとうしい教師だったはずの曽根を知るにつれ、その甘い声をもっと聞きたくなってしまう久我山。胸が痛むほどのこの想いに名前があるとすれば―恋。しかし曽根には恋人がいるうえ、自分はただの生徒にすぎないと知り…。それでも彼を守りたい。未来を変えるために、今、恋をする。
 


 最初あらすじを読んだときは、事故でダブっちゃった男子学生が二度目の高校生をしているうちに

教師と禁断の恋に落ちちゃったのねと思いこんでおりました。

でも~

なんか読んでいくうちに違和感があって、

あらすじでは初恋の教師であるはずのお葬式に行こうとしているのに

その教師のことをロクに覚えていないない・・・

しかもー、その教師の曽根に対する印象もよくなくて

なんで??

なんで???と脳内疑問に振り回されながらも読み進めていくうちに

やっと二度目の高校生活の意味と

曽根にたいしてアンバランスな反応をみせてしまう理由がわかりました。

これは・・・

この話を思いついた榎田さんの発想と文章力にも驚かれされますが

このあらすじを書いた編集さんもセンスが良いと思います。

ビーボーイにふさわしくない名作がまた一冊でてきたと思います(笑)





↓以下はネタばれ満載でもかまわないわというかたのみお読みくださいね

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やり手でイケメンの弁護士の久我山の癒しというかストレス発散はキャバクラ(笑)

今日も自分のy外面の良さにストレス満載となって癒されに行ったはずなのですが

今日こそおとしてやろうと決心した小柄で童顔なのに胸が大きいことがお気に入りの瑠衣ちゃん

ホテルの部屋をキープしてやる気満々の彼に待っていたものは・・・

消費者金融の過払いの相談でした(笑)

一気にやる気までさめた彼はシャワーを浴びている彼女を残してホテルの部屋を出ていってしまうのです。

やりたいだけーの気持ちに水を差された久我山にかかってきた電話は

高校の時からの友達である本城からだった。

高校の時の担任がなくなったので通夜に誘われたのだ。

その担任に対して特に感慨も思い出もなかったが、本城には夜中に虫歯を治療してもらった恩がある・・・

しょうがなく通夜に行きその帰りに彼は事故にあい

目が覚めた時三十一歳のクールでやり手で少々冷血な彼は・・・

17歳に帰っていたのです。

いまはもうないはずの家で・・しかも高校生のあの頃のままの部屋で

体つきさえも今の自分ではなく

だけど気持は31歳

そのアンバランスさに自分なりに懸命に理性的に理論的に考えようとするのだけれど

誰にも説明できない。




そして二度目の高校生活を送る久我山

一回目の17歳の自分には面白味もなかったし、むしろどこかうざがっていた担任の曽根

けれど31歳の自分にはわかる。

彼の授業がうまく組み立てられていて、生徒が興味をもつように作られていることに。

あの当時けっこう話がわかっていい先生と見えていた荻野が

31歳の自分から見たらたんにプライドの高い矮小なところがあるところみ気がつく。

そして、あの頃世界のすべてに近かった家庭とか、両親というものが壊れていくことも

いまの31歳の自分から見たら共感できることもあり

許してしまえれる人間の弱さであったことも知る。

曽根と荻野の恋愛とDV

両親の離婚

そしてやっと生きていくことの喜びを知るその時に

またまた久我山は事故にあい・・・



運命のカーテンは二転三転して空回り・立ち止まり

そして新しい幕をあげていく。

運命の女神はまた久我山に優しく、あの日通夜だった曽根もまたおなじくで

ふたりは新たに生きていくための力を得ていました。



前半と中盤は運命に振り回されながら、

それでもふたたび生き直すチャンスを得た久賀山をテンポのいい文章で書き上げていました。

そのしわ寄せが後半にあり、最後ふたりをまとめるためのラブの濃度が犠牲になっつて

薄いままお話は終わってしまっておりました・・・


もうちょっとラブがあったら、心残りのない作品といえましょう(笑)





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Lianha
性別:
女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


好きな作家さん
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