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Verger ―果樹園―

アタシの読んだ本(主にBl)の感想を 雑然とたらたらとつぶやいております

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雪の褥に赤い椿  ( 華藤 えれな)

雪の褥に赤い椿 (二見書房 シャレード文庫) [文庫]
華藤 えれな (著), 小椋 ムク (イラスト)

雪の褥に赤い椿 (二見書房 シャレード文庫)



(内容)


嘘ついてごめん、本当は晃ちゃんが大好き──。

政界のプリンスと謳われる矢神を密かに慕っていた秘書の朝加。
けれど矢神に縁談が持ち上がり、秘書としての居場所も失ってしまい……!?

父の顔も知らない朝加は真冬の海で母に見捨てられたところを名家の御曹司・矢神に助けられた。
それから身の程知らずと知りつつ心密かに矢神を慕う朝加は、せめてもの恩返しに国会議員となった彼の身の回りを世話する秘書になる。
けれど朝加にとって夢のような蜜月は、矢神の縁談が決まったことで終わりを告げ──。
居場所を失った朝加に残されたのは「裏切り者」としてその身を堕とすことだけで……! ?




華藤さんには珍しく日本を舞台にしたお話でした。

最近は外国のお話とかマタドールとかそういう設定が多かったので

嬉しいです。

実は過去にリンクスで出していた日本の能楽師のお話が好きでした。

あちらは宗家の跡取りと能楽師の身分違い・・というか

能をめぐっての愛憎劇でしたが

こちらは政治家とその彼を支える秘書の幼馴染の身分差の恋でした。

どちらも王道で切なくっていいお話なんですよ~と呟いてみます(笑)

これもほんとうに切なくて哀しくて愛おしいお話でした


朝加は真冬の海で母に見捨てられたところを名家の御曹司・矢神に

救われます。

気ままで移り気で子供のような母親を必死になってすがっている姿が

ほんとうに悲しいのですよね・・

母のために自分を犠牲にしてがんばってきたのに

母親に捨てられるのです・・

矢神に優しくされて、

彼の大切な犬ダイスケの世話をしながらの束の間の幸福を楽しむのですが

彼の政治家としてのこれからのために縁談が決まり

居場所がなくなった朝加は彼のためにできることを決心するのです。

お互いがお互いのためにと想い合っているのですが

悲しいことに朝加には恩があるために受け入れれず

矢神もまた恩を売っているがために愛情を押し付けれずに・・・


やがてなにもかも失ってしまったと思い込んだ朝加は

矢神が助けてくれたあの海へ逝こうと決心するのです。


冬の日本海側の寒さとか、雪の美しさとか、たいへんさとか

あたしには想像するだけでしかないんですが

小椋さんの挿絵が非常に雰囲気にあっていて素敵でした。


切なさと犬のダイスケに可愛さと雪の美しさを堪能したい方いかがでしょうか?

コミコミさんで通販されると特典小冊子が付きます。

矢神視点で描かれていて彼のストレートな恋心が描かれておりますので

もし買おうかなとおもわれたらそちらで買われたらいかがでしょうか?


コメントレスです♪

ゆうみさん

典雅作品には笑いという人生に対応するパワーがありますよね(笑)
これを思い起こしながら仕事をしていると妙に楽しくこなしている時があります。
>栄養サプリ代わりに活用しています
まさにそのとおりですね!
バカップルの会話のあほらしさも騎一尚カップルの面白さもほんとうによかったです~
BLからもらうパワーで明日もめんどうな生活や仕事のあれこれこなしていくと思います(笑)

お互いにいろいろありますががんばりましょうね♪

コメントありがとうございました♡

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憂える貴族の初恋 (華藤えれな)


憂える貴族の初恋 (B‐PRINCE文庫) [文庫]
華藤えれな (著), 北沢きょう (イラスト)
憂える貴族の初恋 (B‐PRINCE文庫)




(あらすじ)

修道院で暮らす天涯孤独のルイは、突如、何者かに襲われていたところを金髪に琥珀色の瞳を持つ男に助けられる。彼はモンフォール伯爵家の執事・ロジェと名乗り「お迎えに上がりました」とルイの足元に跪き恭しく手の甲にキスをしてきた。自分の出生の秘密を知り伯爵家へ向かったルイは、そこで貴族としての教育をロジェから受ける。幼い頃から誰からも必要とされなかったルイは、家の為とはいえ自分を求める彼に心が傾いて?―。
幼いときから修道院で暮らしていたために世俗というものも

人間的な感情の機微からも遠ざけられて育ったために

良いものも悪いものもあわせて飲み込んで得る人間の感情を知り得ない青年ルイ

まぁ普通なら幼いときから修道院という道ではなく

世俗の垢にいやっちゅうほど染まってからイヤ気をさして修道院にはいって

心の安らぎを得るというシステムを経ていないせいでもありますよね。

そういうある意味純粋培養の青年が

魑魅魍魎のただなかの貴族社会に 放り込まれてしまい

アップアップしているなかで 初めての恋を成就しちゃうお話でした。

想像していた華藤さんの貴族の初恋では

修道院で汚れをしらずに生きてきた青年が世俗の垢にいい意味でも悪い意味でも

染まりきってドロドロになりながら悪の華を咲かす・・・だったのですが

綺麗な初恋の物語でした(笑)

執事が完璧な「あくまで執事ですから」のようなタイプの大人でしたので

感情の揺れが感じにくくって何考えているのかわからな~~い状態でしたので

ラブロマンスにはなかなかなれていないのがちょっと残念だったけど

修道院という新しい萌えをちょっと掴めてしまったような・・きがします(笑)

こんな腐れきったあたしでも神様は許して下さるでしょうか(笑)?

 

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花蝕の淫―狂おしく夜は満ちて (華藤 えれな)


花蝕の淫―狂おしく夜は満ちて (ローズキーノベルズ) [単行本]
華藤 えれな (著), 朝南 かつみ (イラスト)


花蝕の淫―狂おしく夜は満ちて (ローズキーノベルズ)

(あらすじ)

北嵯峨の僧庵で、出家し世俗から逃れるように隠れ生きていた清祥。しかし、自分の運命を狂わせた男が再び彼の前に現れ―。まだ十代の頃、桜舞散る京都で出会った闇色の双眸の男・竜二郎。両親を知らずにいた清祥は祖母の葬儀から拐われるように連れられた屋敷で、己が月嶋組組長の息子であることを知る。世話役として、竜二郎に実父の前で犯された清祥は、同性にねじ伏せられ支配される屈辱と恐怖を感じながらも、身に潜む業を引き出されていき―。
もうね華藤さんに朝南さんと」くればそれだけでも買わなきゃいけないという気になりますよね!

しかも美坊主とやくざと跡継ぎ問題と麗しい刺青となったら

買わなきゃいけません(笑)

しかもー今コミコミさんでは小冊子つきが売られているので

これから買う方にはこっちをオススメします。

攻めの竜二郎の過去が詳しく載っておりますので

なぜ竜二郎があれほど清祥に執着したのかがわかりやすいと思います。

そしてこの作品についている応募用紙をと宛名カードを記入し80円切手を同封したら

なんとSSペーパーが送られてくるとの事

長三封筒と指定されているのが面倒といえば面倒なんですけど

毒食わば皿までの精神で買いに走ろうと思ってます(笑)



幼いときに養父母に預けられ何不自由のない育てられ方をしてきたはずなのだけど

清祥はなぜか自分自身の存在が心もとなかった。

ある日養母とその知り合いが自分のことを語っていることを聞きようやくその原因を知る。

犯罪者の父、生まれてきてはいけなかった自分を殺そうとした母

養母が幼いときから出家して修行の道を勧めてきた理由・・・

自分自身の存在価値さえも認められることがなかった清祥の孤独と不安感は大きいまま

大学に進学し養父母のもとを離れ、ようやく一呼吸つけることができた。

そんなときにであった清祥に一筋の希望の明かりをくれた男竜二郎と出会う。

そして祖母の死とともに清祥は再び竜二郎と出会い

父親の組を告ぐように示唆される。

それを拒否すると自分を育てるために祖母や養父母に支払ったお金を返せというわ

竜二郎のものにしろというわ

けっこうめちゃくちゃなことを言ってくるんです。

自分の前で清祥を抱けたら清祥は竜二郎のものにしていいというだけでなく

心臓が悪くなかったら自分が犯したかったというあたりかなり無茶をいうんですけど

まぁそれが京都弁で語ってくれるのでそこはかとなく色悪っぽくてよいです(笑)


そして刺青を彫らせながら

刺青を彫るだけの男にまで嫉妬して夢中になって清祥を求める竜二郎もいい男です。

清祥だけに執着し清祥だけを求める男なんですよねー

主従愛で執着愛が京都弁で語られるとあんなにいいものなんて(笑)



そして清祥の異母弟である渉が案外に魅力的!

母の実家の後ろ盾に清祥と同い年で既に小さな組を任せられ気性の激しさで

何回もトラブルを起こしていていて、清祥が都合としている六代目の座をほしさに

むちゃくちゃするのです。

やり方はともかく狂犬っぽくって可愛い彼にも強い攻めでスピンオフ希望!(笑)


お話は清祥のほうから語られていくので

清祥の内面の変化に突き詰めて書いてあるせいか

周囲の思惑とかいろいろある事件とかはちょっと淡白に書かれてあるので

そこが物足りなかった感があるのですけど

主従愛と執着愛と京都弁のせつなくて叙情的な愛憎を堪能したいかたいかがでしょうか?



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楽園は何処にもない(華藤 えれな )


楽園は何処にもない(ルナノベルズ) [新書]
華藤 えれな (著)
実相寺 紫子 (イラスト)


(あらすじ)

どうだ、殺したい男に犯される気分は?

おまえは私の情人になり 私はおまえの神になる
「今すぐ海の藻屑となるか、情人として生きながらえ復讐のチャンスを待つか──。
両親の命を奪ったシチリアマフィアのディオに二者択一を迫られた航一は、
いつか男を地獄に送るため、屈辱に耐えその身を捧げる事を選んだ。
胸に所有の証を刻まれ、夜ごとディオに抱かれる航一。
まるでそれが快感であるかのように、憎しみを煽ってくる男に対し、
航一は彼の望みどおり復讐を計画するが……。
巨大ファミリーの後継者としてディオが背負う孤独で歪な運命を知り──!?」
華藤さんの外国物はちょっと・・・・と購入を手控えていたのですが

本屋で実相寺 紫子さんのデイオに一目で恋してしまったので買いました(笑)

いや、冗談抜きで本当に麗しくて冷酷で、でも愛を求める代わりに死を望んでしまう

その孤独な魂をすごく綺麗に表現しているのです。

お話も外国物は名前を覚えるのが苦手で敬遠していたのですが

受け君のほうは日本人ですのでおぼえやすくてよかったです(笑)  



マフィアの帝王×日本人でイタリアの警察官をしております

暗黒のマフィアの世界に生まれた帝王デイオは生まれながらに

巨大ファミリーの後継者として認められる資質を持っております。

簡単に医者にもなり、その業務につきながらマフィアの仕事もこなし

ピアノ演奏でもチェスでもなんでも簡単に取得できる才能に恵まれております。

が、そんな何もかもに恵まれた彼に神が与えたもうたものは

不仲な両親と殺し合いを宿命づけられたかのような弟たち

それと味覚障害と眠れない体質であったのです。

反面警察官をしている航一は貧しいながらも両親に愛され健やかに育っております。

ふたりは出会いで魅かれあいます。

不幸な事件を元にして囚われるか殺されるかを選ばなくてはいけなくなりまして

航一はデイオを殺すことを条件に情人となり

その証拠として乳首にピアスをいれられるのでした。 

それからもこのデイオたち兄弟のいびつな関係もあり

裏切りや抗争や殺人やレイプなどなどたくさんの出来事にからませて

ふたりの魂が結びついていくのですが

その二人の心情の変化もすごく緻密に書かれておりましたし

イタリアの風や風景の描写も素敵に描かれておりました

お勧めの一冊です。


書店によって書き下ろしショートストーリー付きペーパーがついているのですが

それにはあのふたりのアマアマなラブと可愛い男前受けである航一が書かれているのですが

それがまたよいのです。

できたらペーパー付きを購入してくださいね。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

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執愛の契り (華藤 えれな)

執愛の契り (ビーボーイノベルズ) (単行本)
華藤 えれな (著)
北畠 あけ乃 (イラスト)





(あらすじ)

「逆らうな、お前の躰は俺のものだ」美貌の柏倉流能楽師・颯希は、誤解が元で別れた恋人で青年実業家の喬一郎と再会する。颯希は戸惑いつつも再会を喜ぶが、それは喬一郎に仕組まれた復讐の始まりだった!!資金面で悩む柏倉流への援助を条件に愛人契約を要求する彼に、颯希は忘れられない恋心を隠し、流儀のために躰を差し出す。だが官能に溺れるほど責め立てられ淫らになっていく躰と、愛する男に陵辱される日々に苦しみ…。


華藤さんの本では「和」物を一番最初に読んだせいか

和の美しさが好きです。

それに加えて今回は北畠さんの美麗な絵ということで期待感満々で購入したしました。

挿絵がほんとうにいいです!

着物の乱れ具合といい

椿の花の華麗な赤と言い表紙だけでも十分に満足できる一冊でした。


あ・・内容がない。

お話はけなげな受け君(颯希)は美貌の能楽師です。

攻めの喬一郎は青年実業家として成功しており、

柏倉流えの援助を約束してくれるということで再会するところからお話は始まります。


美貌と能楽の才能に満ち溢れていた颯希でしたが

幼いころに両親を失い、叔父(宗家)のもとに引き取られ

能楽の才能を見いだされ、宗家の跡取りである真弓の後ろ盾となって

柏倉流を守るために奮闘しております。

それなにに真弓から持ち出された話は・・・

柏倉流のために援助してくれる喬一郎の愛人となれと攻め立ててくるのでした。

真弓の身代わりとなって、

喬一郎の父親の愛人と言う汚名を着たまま颯希は再会し

その復讐と執着の限りを毎日の交情で受けるのです。

まぁけなげな颯希えの誤解は溶けていつのまにか良き理解者となり後援者となり

良き伴侶となるのですが・・・

今一歩颯希のけなげさが堪能できませんでした。



というのも、脇役であるいじめっ子真弓のほうが魅力的に書かれているんですもの・・

宗家になるために幼いころから厳しい稽古に耐えてきたのに

周囲が認めるのは従兄の颯希ばかり

宗家となっても、つねに自分を守る立場のようでいて

颯希が宗家になりかわろうとしているんじゃないかという疑心暗鬼が抜けず

誰も本当の意味で真弓を知ろうとはしてくれず

宗家らしくしろとか

ちゃんと練習しろとか真弓にとっておもしろくないことばかり言ってくる

天衣無縫で純粋な一面をもつゆえに

舞台で成功を収めた颯希をみてとうとう心壊してしまい

衣装ごと颯希を燃やしてしまおうとしてしまう。

その真弓の情念のようなものが妙にあたしを引きつけてしまい

颯希のけなげさとか、せつなさの世界に入りきれませんでした。


華藤さんが書かれる能の世界はこれでおわりということでしたが

リンクスからでている他の能のお話とちがって

ちょっとちょっという感じでした。

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Lianha
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女性
自己紹介:
「風と木の歌」に触発され
juneで開花w?
一時はこの世界から脚を洗っておりましたが
またどっぷりとつかっております


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剛しいらさんなどなど・・・

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